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”元アウトローのカリスマ”瓜田純士、ブラックエンペラー2代目総長の実父への想いをラップに乗せる!

いつしか憎しみは消え去り……

――最後にお父様と会ったのはいつでしょう?

純士 2014年頃だったかな。親父はすでにヤクザをやめていて、「やっと肩の荷が下りた」と言っていました。そのときはその言葉の意味がわからなかったけど、先日、近況を知人から聞いたときに、「親父もいろいろ大変だったんだろうな」と思いました。俺よりも圧倒的に面倒な立場にいたんだろうし、立場上、したくもない態度を取っていたんだろうし、引くに引けなかったこともあったんだろう、と。俺も大人になったから、そうしたことがわかるようになってきたんですよ。

――お父様の近況は?

純士 それはご想像にお任せします。が、その知人いわく、千葉の美浜で俺が刺されたとき(参照記事)、親父は俺のことを心配して、水面下でいろいろと動いてくれていたらしいんです。また、俺が切腹してICUにいたときも、お袋は俺が死ぬと思ったらしく、誰に相談していいかわからずに別れた親父に連絡を取ったら、親父は病院の近くまで駆けつけてくれたそうで。

 そんな話を聞くうちに、憎しみは消え去り、親父に向けた曲でも作ろうか、という気になりました。

――まず、リリック(歌詞)から作ったのでしょうか?

純士 いや、今回はトラックが先に決まっていました。前作、前々作同様、Kombow氏の作品の中から、秋らしいトラックに目をつけていたんですよ。で、そのトラックにハマりそうな秋らしい感傷的なリリックということで、最初は「嫁と嫁のお父さんの物語」を書こうと考えていたんです。大阪から出てきて、俺みたいな男と一緒になって、いろいろ苦労もあっただろう、と。

「TO FATHER」で、俺がフック(サビ)を歌う部分があるじゃないですか。あそこの部分に、「ウチ、寂しかったんよ。ウチ、ほんまにパパに大事にされていたんよ」みたいな関西弁の嫁の歌を入れる予定だったんですが、その案を嫁にぶつけたら、「アホちゃうか。ウチの年齢でそんなメンヘラな歌を歌ったら恥ずかしわ。純士のためにも、それだけはほんまにやめといたほうがええで」とフル却下されまして(笑)。

 一歩間違えたら、とんでもない駄作を世に発表するところでしたが(笑)、そこへたまたま自分の親父の近況が舞い込んできたから、新たにリリックを書いて、そのトラックにハメ込みました。結果オーライですが、うまいことハマったと思います。

――英語のリリックも印象的でした。

純士 歌詞の内容的に、日本語で歌うと間抜けになりそうな部分だったから、英語にしました。ただし、英語をしゃべれない奴が英語で歌うという禁じ手をやる以上は、ちゃんとした英語にしなかったら笑われる。だから、ネットで調べたり、外国の偉人の名言を引用したりしつつ、文法的にも発音的にも間違えがないように努めました。

――フックを純士さんが担当したのは、今回が初めてですね。

純士 前から嫁に「フックを歌ってみたら?」と言われていたので、今回初めて挑戦してみました。どうでした?

――歌がうまく、声が優しいことに驚きました。

純士 人って、自分の声が一番わからないじゃないですか。最初、DJのTVXI氏が完成形に近い音源を上げてきたときに、「あれ? こんなはずじゃない」と自分の声に引いちゃいまして。DJに「ああしてほしい」「こうしてほしい」とボーカルをイジるように、何度もリメイクの指示を出してしまったんですよ。

 ところが、リメイクしてもらった数パターンの声と、元の声を何日もかけて聴き比べてみると、「やっぱ元の声のほうがいい」ということがわかった。だから今後はDJから上がってきた音に返信をするのは、少なくとも丸一日聴き込んでからじゃないとダメだなと反省しました。

 矢沢永吉とかマイケル・ジャクソンもきっと細かい注文を出すんでしょうけど、ああいう人たちって、ベース、ギター、ドラム、編曲者などの一人ひとりに大金を払って、初めて発言しているわけじゃないですか。それをこっちは業界最安値クラスでやっているくせに、永ちゃんばりに指示がうるさい(笑)。そりゃ周りもウンザリするわ、と思いました。

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