ミス慶應ファイナリストにセクハラ、加害男性社長の個人情報が拡散
慶應義塾大学の「ミス慶應コンテスト2019」でファイナリストに選出された同大の学生・濱松明日香さんが、ミスコン主宰団体「ミス慶應コンテスト運営委員会」のプロデューサーをつとめる40代男性A氏によるセクハラ被害を告発し、波紋が広がっている。
19日発売の「週刊文春」(文藝春秋)によれば今年8月2日深夜、濱松さんはミスコン運営委員会のプロデューサーである40代の会社社長・A氏から呼び出され、食事。食後にA氏からクラブに行こうと誘われ、<機嫌を損ねたらミスコンの活動がしにくくなるかもと思うと断りづらくて>と誘いに乗ったという。
しかしクラブのVIPルームでA氏は、濱松さんに「ラウンジ嬢ごっこをしよう」などと言い、唇を奪おうとしてきたり、尻を触ったりというセクハラ行為に及んだという。濱松さんは辛くも逃げ出したが、A氏の権力や立場を考えて被害を訴えることもできなかったそうだ。
この話を聞いた濱松さんの友人が、「週刊文春」に告発。濱松さんも被害を認めた、という流れだ。A氏は当初、8月2日は大阪出張だったと嘘をついた。のちに2人でクラブに行ったことは認めつつも、セクハラ行為については否定している。
ミス慶應セクハラ問題が根深いのは、濱松さんの被害告発とミスコン運営委員会の主張が真っ向から対立していることだ。「週刊文春」によれば、同誌にはミスコンの運営委員長をつとめる同大2年の女子学生は「セクハラの事実はない」との抗議文が届き、濱松さんの直筆による「セクハラ行為は一切受けておりません」という陳述書も添えられていたという。
しかし後日、濱松さんは改めて被害を事実だと認めた。同誌に対して「脅されて陳述書を書かされた」と主張したうえで、次のように証言したという。
<Aさんには『文春には事実を正直に話した』と伝えたんです。すると《各クライアントから損害賠償請求されるけど、払えるん?(※原文ママ)》とLINEで脅されました>
9月19日、濱松さんは自身のTwitterでも、<セクハラの件で文春から記事が出ており、ミス慶應の公式垢から否定文が出ていますが、記事になった8月2日のセクハラに関する出来事は全て事実です。ファイナリストを降りる気もありませんしこれからも活動に励んでいくつもりです。変わらぬご声援の程よろしくお願い致します>と綴っている。
ミスコンプロデューサーA氏の個人情報が拡散
ネットでは、セクハラ行為を働いたとされるA氏の名前や経歴、SNSアカウント、さらには代表をつとめるブランディング会社などの情報がいち早く“特定”され、SNSやトレンドブログを介して広く拡散している。さらには、A氏の“学歴詐称疑惑”まで飛び出しており、まさに混沌だ。
もっとも、同ミスコン委員会の公式ホームページにはプロデューサーとしてA氏の名前、会社名と公式ホームページへのリンクが掲載されている。また、A氏は同ミスコン委員会の公式Twitterにも顔出しで登場していたため、“特定”は容易なことだった。
すでにA氏の仕事にも影響が出ていると見られ、事態を収拾するには詳細な説明が必要になってくるだろう。
慶大ミスコンは集団強姦事件で中止になっていた
慶應義塾大学のミスコンは、2016年に一時中止になっている。同大は、当時のミスコンの運営母体だった学生サークル「慶應大学広告学研究会」で未成年飲酒問題があったため、と理由を説明していた。
しかし週刊誌報道により、同サークルの合宿における集団暴行事件が明らかになった。男子学生6人が当時18歳の女子大生に対して飲酒を強要し、性的暴行を加えていたのだ。犯行の様子をスマートフォンで撮影までしていたという。
これを受け、同大は「広告学研究会」に解散を命令。だが「ミス慶應」の伝統を絶やしたくない学生も多いのか、あるいは高学歴の美人女子大生が金になるためか、2017年には「広告学研究会」とは別の有志団体の運営によってミスコンが復活。昨年も「ミス慶應コンテスト実行委員会」が、ミスコンを開催している。
そして今年、新たにミスコンに参戦した団体が「ミス慶應コンテスト運営委員会」だ。最終選考は11月25日を予定しているが、このままセクハラ騒動を“スルー”して、何食わぬ顔でグランプリを決定することはできないだろう。それこそ<各クライアントから損害賠償請求される>のだとすれば、運営委員会の説明責任は重い。
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