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国民の8割が容認! 「凶悪犯罪は死をもって償うべき」世界から孤立する日本の死刑制度

憲法学者の中には“死刑は憲法違反”との声も

 内閣府の世論調査による死刑制度に対する考え方の推移は以下の通りとなっており、大きな変化がないことが見て取れる。

 調査年  死刑廃止  死刑もやむを得ない わからない・一概に言えない
 2014年  9.7%      80.3%        9.9%
 2009年  5.4%      85.6%        8.6%
 2004年  6.0%      81.4%        12.5%
 1999年  8.8%      79.3%        11.9%
 1994年  13.6%      73.8%        12.6%

 死刑制度を容認する理由としては、
「死刑を廃止すれば、被害を受けた人やその家族の気持ちがおさまらない」53.4%
「凶悪な犯罪は命をもって償うべきだ」52.9%
「凶悪な犯罪を犯す人は生かしておくと、また同じような犯罪を犯す危険がある」47.4%
「死刑を廃止すれば、凶悪な犯罪が増える」47.2%
となっており、この比率はこれまでの世論調査でも、ほぼ同じだ。

 つまり、死刑制度容認の主な理由は、被害者(遺族)感情に対する配慮、国民感情、犯罪抑止力ということになろう。特に、犯罪抑止力では、「死刑がなくなった場合、凶悪な犯罪は増えるか、増えないか」との質問に対して、57.7%の人が「増える」と回答している。

 だが、日本国憲法では第36条で「公務員による拷問及び残虐な刑罰は、絶対にこれを禁ずる」と定めている。つまり、政府(公務員)による死刑執行が残虐な刑罰に当たるとの考え方から、憲法学者の中には“死刑は憲法違反”との説もある。

 また、誤審や冤罪の場合には、死刑を執行してしまえば取り返しのつかない事態になるため、死刑制度を廃止して、欧米で採用されている仮釈放のない「終身刑」を導入すべきとの意見もあるが、前述の世論調査では、「仮釈放のない終身刑が新たに導入された場合、死刑を廃止する方がよいか」との質問に対して、「廃止しない方がよい」と回答した人が51.5%に上っている。

 それでも、誤審や冤罪を防ぐために、従来は再審請求中の死刑囚に対する刑の執行は行わない傾向にあったのだが、17年7月に結局、再審請求中の死刑囚に対する死刑が執行された。この時の政府見解は、「死刑確定者が再審請求中であったとしても、当然に棄却されることを予想せざるを得ないような場合」(当時の金田勝年法務大臣)は死刑が執行されるというものだった。

 その後も、同年12月に2人の再審請求中の死刑囚に対する死刑が執行された。また、18年7月に13人の死刑が執行され話題となったオウム真理教事件の死刑囚のうち10人は再審請求中だった。このように、日本においては誤審や冤罪防止という面でも、人権・人道という面からも「死刑廃止の必要はない」との考え方が主流となっている。

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