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日刊サイゾー トップ > カルチャー  > ジャルジャルがタブーに挑む
若手放送作家の「超YouTube学」9月号【3】

ジャルジャルがお笑い界のタブーに挑む、YouTubeネタ動画8,000本ノック!

テレビ業界で最もYouTubeに詳しい新進気鋭の20代放送作家、白武ときお(「しもふりチューブ」)と長崎周成(「フワちゃんTV」)が、最新のYouTube事情と注目チャンネルについて語り尽くします!

<「超YouTube学」バックナンバーはこちらから>

長崎 ジャルジャルさんのYouTube「JARUJARUTOWER」も勢いスゴいですよね。ほぼ毎日、ネタ動画を投稿しているんです。芸人さんからしたら、ネタバレって結構なタブー。本来ならやりたくないことのはずなんですよ。「あ、このネタ知ってる」ってなって、ウケなくなるじゃないですか。そんな中、ネタ動画を毎日上げ続けてるジャルジャルさんは、芸人YouTuberの中でも新しいスタイルなのかなって。

白武 白バックで笑い声も入れず、「○○な奴」って縛りでキャラをどんどん開発していってて、すごいですね。去年の2月から毎日上げてて。8,000本アップするって宣言されています。どうやってあれだけの数のネタを量産しているのか、感動するレベルです。

長崎 レギュラーだった『めちゃ×2イケてるッ!』(フジテレビ系)が終わってしまいましたが、完全に転機が好機になっている。ジャルジャルさんはロンドンでの単独公演とかもそうだけど、とにかく挑戦の姿勢が本当えげつない! 最近はYouTube外でも、有料会員制“ネタサロン”「ジャルジャルに興味ある奴」の運営をしてますよね。自分たちのネタを見てもらう場所を自分たちで作り出して、さらに新しさに昇華させている。劇場や営業以外でも「ネタで食べていく」新たな道。自分たちがやりたい得意な土俵で最大限勝負する、これでいい気がしますね。

白武 20代の若手の芸人さんたちからは、「先越された」とか、「これ、本来は俺たちがやるべきことだったのに」っていう声を聞きますね。ジャルジャルさんのチームが確立したスタイルは、本当に素晴らしいですね。

長崎 これ、結構な賭けだったと思うんですよ。正直、ネタ動画って今まであんまり再生回数いかなかったので、やりたいことが結果につながるかどうか。東京03さん、サンドウィッチマンさんくらいじゃないかな。番組でも言ってましたけど、東京03さんは「テレビで観ました」じゃなくて「YouTubeで知りました」っていう若い子がめっちゃいるんですって。

白武 お笑い好きではない人にとっては、『エンタの神様』(日本テレビ系)とか『ENGEIグランドスラム』(フジテレビ系)とかデカいお祭りのときに見るくらいで、日常的に芸人さんのネタを見る状況にないですからね。『ネタパレ』(同)は毎週、本当に面白いネタが流れているんですが。

長崎 結果的に劇場に足運んでくれる人たちってYouTube見てる若い世代だから、イコールになってすごくいいですよね。ジャルジャルさんが毎日動画上げてるのって、やっぱ「本気」じゃないですか。やるなら、これくらいやらないと。

白武 視聴者を「すげえ!」って感動させられるかどうかですね。ジャルジャルさんのYouTubeでコントを見て、劇場に足運んでみたいっていう人が増えるはず。一方で、気軽に見られるからカリスマ性がなくなるって考える人もいるでしょうけど、僕はやっぱり、いっぱい見てもらって面白いと思われるのがいいんじゃないかなと。

長崎 番組の会議とかでも、「どの芸人さんをキャスティングするか」という時、その場でネタの動画が見られたほうが話が早いし、僕もバシバシ上げるのに賛成です。「M-1」とか「キングオブコント」とか賞レースにかけるネタはさすがにアレですが、(世間に)見つかる確率を上げるためにも、積極的に投稿していったほうがいい気がします。いま劇場やイベントに足を運ぶきっかけとなるのが、“確実に面白いものを見る確認作業”になってきているので、ネタバレしていないことのほうが、集客・認知の面ではピンチかもしれません。

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