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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム >  パンドラ映画館  > 本場フィンランドの新しいサウナ道
深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】vol.548

これがサウナの本場フィンランドの新しいサ道!? 裸のおっさんがとろける『サウナのあるところ』

これぞ至高の幸福感、まさにととのった!

一緒にサウナで汗を流して51年になるご夫婦。白樺の枝葉を束ねたヴィヒタでのマッサージが夫婦円満の秘訣。

 冒頭に登場するベテラン夫婦のサウナでのやりとりも味わい深い。「この背中を51年も流している」と愛妻の背中を洗うおっさん。ヴィヒタ(白樺の枝葉)で奥さんの全身をくまなくマッサージすることも忘れない。長年のサウナ効果もあり、2人とも肌がツヤツヤしている。夫婦が一緒に年齢を重ねることを“共白髪”と呼ぶけど、フィンランド人はさながら“共サウナ”らしい。北欧諸国の幸福度が高いのは福祉制度の充実や教育の無償化が大きいとされているけれど、フィンランドの場合は生活に根づいたサウナ文化も幸福度に結びついているのではないだろうか。

 全裸のおっさんたちが汗だくで語り、ビールやウォッカを飲み干すだけのおかしなドキュメンタリー映画なのだが、見終わった後はこちらの心までほっこりしてくる。映画のエンディングは、フィンランド人が愛する子守唄「リスの歌」をおっさんたちが斉唱。サウナで身も心もすっきりしたせいか、みんな気持ちよさげに歌っている。サウナドラマ『サ道』(テレビ東京系)で言うところの、まさに「ととのった」という感じ。映画鑑賞の帰りにサウナか銭湯に立ち寄れば、日本の幸福度もちょっぴりアップするかもしれない。

(文=長野辰次)

『サウナのあるところ』

監督・脚本/ヨーナス・バリヘル、ミカ・ホタカイネン

配給/アップリンク、kinologue 9月14日(土)よりアップリンク渋谷、アップリンク吉祥寺、新宿シネマカリテほか全国順次ロードショー

(c)2010 Oktober Oy.

https://www.uplink.co.jp/sauna

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最終更新:2019/09/20 11:03
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