トップページへ
日刊サイゾー|エンタメ・お笑い・ドラマ・社会の最新ニュース
  • facebook
  • x
  • feed
日刊サイゾー トップ > 連載・コラム >  パンドラ映画館  > バート・レイノルズの遺作が公開
深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】vol.547

故バート・レイノルズの人生をそのまま映画化!! 思わず感涙の大団円『ラスト・ムービースター』

幻に終わったタランティーノ作品への出演

鼻ピ娘のリル(アリエル・ウィンター)の運転する車で、思い出の場所を巡ることに。「本当はアメフト選手になりたかった」と本音を漏らす。

 劇中のヴィックが口にする台詞が泣かせる。「大事なのは第三幕だ。第二幕の演技がどんなにボロボロでも、第三幕がよければみんな忘れてくれる」。この映画も途中まではレイノルズをディスったような内容で大丈夫かと心配になってしまうが、クライマックスからいっきに盛り返していく。終わりよければ、すべてよし。スター俳優としての輝かしい日々と失意の生活、そのどちらもずっぽりと経験したレイノルズだからこそ演じられた主演作だ。イーストウッドには演じられない。いや、他の俳優と比べるのはレイノルズに失礼だろう。レイノルズが出演した作品は、レイノルズ映画に他ならないのだ。

 クエンティン・タランティーノ監督の超大作『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(現在公開中)にレイノルズは出演することが決まっていたが、撮影前に亡くなったためにブルース・ダーンが代役を務めている。カルト集団チャールズ・マンソン一家に居場所を提供した老牧場主役を、ブルース・ダーンは演じている。ブラッド・ピットとレイノルズが共演できなかったのは残念だが、レイノルズの遺作は『ラスト・ムービースター』でよかったのではないだろうか。キャリアの最後に低予算映画ながらも主演を務め、2018年9月6日に人生の幕を降ろした。最高な作品選びだったと思う。

(文=長野辰次)

『ラスト・ムービースター』

監督・脚本/アダム・リフキン

出演/バート・レイノルズ、アリエル・ウィンター、クラーク・デューク、ニッキー・ブロンスキー、エラー・コルトレーン、チェビー・チェイス

配給/ブロードウェイ 9月6日(金)より新宿シネマカリテ、シネ・リーブル梅田ほか全国順次公開

(c)2018 DOG YEARS PRODUCTIONS,LLC

 

『パンドラ映画館』電子書籍発売中!
日刊サイゾーの人気連載『パンドラ映画館』
が電子書籍になりました。
詳細はこちらから!

 

最終更新:2019/09/06 20:00
123
ページ上部へ戻る

配給映画