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日刊サイゾー トップ > エンタメ > テレビ  > 古田新太の激でムロツヨシが覚醒?

『Iターン』ヤクザらしくない古田新太の真っ当な訓示で、ムロツヨシが覚醒?

無茶ばかりのように見えて真っ当なことしか言ってない古田新太

 最近、古田を慕い始めているムロ。黒木はそんなムロの認識を否定する。

ムロ「岩切組長は確かに怖い。怖いんですけど、ある意味人間的な感じがします」

黒木「人間的? 極道が!? ハァ~ッ。馬鹿言っちゃダメよ」

 その通り。今回のムロは極道の流儀の餌食になってヒィーヒィー言わされた。今どき蟹工船に乗せられそうになり、しかもムロの命は300万円っぽちに設定されたのだ。しかも、中国マフィアから「高すぎる!」と言われる始末……。

 さらに拉致られ、山奥に連れて行かれたムロ。「人間を埋める目安は赤土1メートル、黒土2メートル」という知りたくない情報を教示され、土葬寸前まで追い詰められた。

 恐怖のあまり、手塚は完全降伏。すべての広告をムロに回すことを約束し、青葉銀行の資金は岩切組に流れる形となった。思惑通り事を運んだ古田は、説き伏せるようにムロに言った。

「よう覚えよけ。適者生存。ワシらの世界は強い者が勝つんじゃのうて、勝った者が強いんや。だから社畜は甘いんや! もっと死ぬ気で人生生きたらんかい!!」

 古田の言っていること、実は至極真っ当だったりする。古田が訴えているのは「いつ死んでも後悔しないよう、人生を生きろ」ということ。何事にも逃げ腰で前を向けないムロを叱咤し、檄を飛ばす古田。当初はムロも恐怖するだけだったが、いつしか古田からの訓示によって変わっているのが面白い。例えば、刑事の城島豊(河原雅彦)から岩切組の情報を聞かれたとき、ムロはこう返した。

ムロ「陳という中国人と接触してまして」

河原「中国人? チャイニーズマフィアか」

ムロ「ああ……すごく凶暴な顔をしてて、ベーリング海峡の噺をしてました」

河原「ルートはベーリング海峡か。ロシアンマフィアも一枚噛んどるかいのう」

 そんな事実はない。ムロは単に蟹工船に乗せられそうになっただけ。なぜ、阿修羅市にとどまるローカルなヤクザが、国際的なコネクションを有しているというのか? 社畜とバカにされながら、密かに一筋縄ではいかない男に変貌していたムロ。図太くなり、そして人間的魅力が増している。全身会社人間の手塚とのコントラストはあまりにも鮮明だ。

 一方の田中は、再開発によるバーの立ち退きをチラつかせて黒木に協力を迫った。現在上映中の映画『劇場版 おっさんずラブ 〜LOVE or DEAD〜』にて、不動産会社勤務の春田創一(田中)は商店街再開発構想に関わっている。竜崎剣司(Iターン)と春田創一(おっさんずラブ)の立ち位置は真逆。あまりに対称的すぎて、逆に因縁を感じる。これは、果たして狙いなのだろうか?

『Iターン』での田中は、映画『仁義なき戦い』で小林旭が演じた武田明にどこか容姿が似ており、いい雰囲気を漂わせていると思う。

(文=寺西ジャジューカ)

最終更新:2019/09/06 14:00
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