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埼玉県知事選の不可解な動きが10月の参院埼玉補選と連動!? 青島健太の落選が意味するものとは

イメージ画像:Luke,Ma

 与野党対決となった8月25日投開票の埼玉県知事選は、現職の参院議員から野党の統一候補に転じた大野元裕・元防衛政務官が初当選を果たした。

 与党が擁立したスポーツライター・青島健太氏との接戦を制したことから、安倍晋三政権に少なからぬ衝撃を与えているといわれる。在京の民放政治部記者が語る。
 
「与党が勝利した7月の参院選後、初めての与野党対決でした。いずれも党首クラスがこぞって埼玉に応援演説に入り、国政選挙さながらの盛り上がりを見せました。大野氏の勝利によって野党共闘の機運が高まり、秋の臨時国会は大揺れになると野党陣営の鼻息は荒い。安倍政権の行方は決して安泰ではありませんよ」
 
 ”安倍一強”を良しとしない国民の審判が埼玉の地で下ったようにみえる今回の知事選。しかし、筆者がつかんだ情報によれば内情はむしろ逆だ。大野知事の誕生は一歩間違えば実現には至らなかった。しかも、来たる10月の参院選埼玉補選で与党が勝利するためにわざと知事選の勝利を野党に譲った―という謀略説まで飛び出す始末なのだ。
 
 まず、筆者が入手したマスコミの期日前投票の調査データからみてみよう。

 期日前投票とは、投開票日に投票所へ行けない有権者が事前に投票を行うこと。特定の公民館などを投票所に充てるため、大手の新聞やテレビが出入り口に張り付き、投票を済ませた人たちにぶら下がって聞き取り調査を行う。

 その調査結果が下記のデータだ。投開票日(25日)の2週間前から随時行われており、どの調査日も与党候補の青島氏が7~1ポイント差で大野氏を引き離し、一貫してリードしていた。地元メディアの記者が言う。


「与党の選挙基盤である公明党の支持母体『創価学会』が事前の投票に確実に動員された結果です。逆に、野党支持層の事前投票は低調で、統一候補を擁立した機運はさほど有権者に感じられませんでした。この勢いで投開票日を迎え、投票率が前回並みの28%にとどまるようなら、大野氏の敗北は見えていたんです」
 
 ところが事前の予想を裏切り、投開票日当日は好天に恵まれたこともあって、投票率は32%まで跳ね上がった。これは無党派層が投票所に出向いた結果で、大野氏の最たる勝因になった――大手マスコミはいずれもこんな分析を行っている。しかし、見落とされたポイントがある。全国紙デスクが言う。
 
「マスコミ各社は投開票当日の25日、投票所に張り付いて有権者の投票結果を尋ねる〝出口調査〟を行っている。どのマスコミの調査結果をみても、自民党支持者の3割が大野氏に投票していたことがうかがえるんだ。同じ与党側でも、公明党支持層のほとんどが青島氏に投票していた。今回の大野氏誕生の裏に、自民党の一部による”裏切り”が認められる」
 
 データが語る”自民党の裏切り”。それはいったい、何か。自民党本部関係者が重い口を開く。
 
「埼玉県知事選をめぐるマスコミの騒ぎをよそに、党本部はひどく冷めていました。もし青島氏が知事選で負けても、大野氏の議員辞職に伴う10月の参院補選に再出馬して当選してくれた方が、国政上、都合がいいからなんです。

 というのも、7月の参院選では、改憲勢力である『自民+公明+日本維新の会』の議席数が改憲発議に必要な”3分の2”まで四つ足りなかったんです。そこへ、8月に大野氏が議員辞職し、10月の補選で青島氏が勝てば、残り2議席足りない状況にある。

 実は、10月頃をめどに野党から自民党に引き抜けそうな現職議員が1人いるんです。この引き抜き工作が成功し、青島氏が参院補選に当選してくれたら、ちょうど”3分の2”になる。10月に予定される臨時国会で、改憲を発議できる準備は整うわけです。ですから自民党本部内には『知事選は野党に譲り、国政選挙で実を取れ』という声すらあったんです」
 
 実際、埼玉県知事選をめぐって、不可思議な動きが絶えなかった。

 例えば、旧民主党の参院議員だった行田邦子氏が出馬し、野党分裂になりかけたことがある。しかし8月8日の告示日目前になって「熱中症」の疑いで突如入院して出馬を取りやめ、晴れて大野氏の野党統一候補が誕生している。

 この行田氏、知事選に突入した8月半ば、いきなりインターネットに動画を公開して「私の県政運営のスタンスと最も近い」と発言し、あろうことか、青島氏支持を宣言しているのだ。前出の地元メディア記者が「あくまで臆測ですが」と断った上で解説する。
 
「行田さんに自民党サイドが何らかの働きかけが行われ、知事選に降りてもらう代わりに、将来の選挙支援を約束したのではないかという観測が出ています。そうでなければ、ライバル陣営の青島氏を支持するなんて言い出すはずがありません」
 
 ところで、来たる10月の参院埼玉補選に向けて、大野氏を後継指名した上田清司・前知事の出馬が早くも取りざたされている。前出の自民党本部関係者の話。
 
「うちは独自候補として青島氏を擁立することも可能だし、様々なオプションを考えています。もし上田氏が出馬すれば、最強のライバルになるでしょうね。でも、彼はゴリゴリの改憲派なんです。上田氏が衆院議員をやっていた時代、うちの二階俊博幹事長と親しく、いまも気脈を通じています。上田氏には無所属で出馬してもらい、当選した暁にはうちの陣営に来てもらうシナリオもあり得ます。そのために、上田氏の後継者である大野氏に知事選を譲ったのですから」
 
 なんと情けない選挙の舞台裏ではないか。10月の参院補選もどんな茶番劇が繰り広げられるか、見届けたいものだ。

最終更新:2019/09/02 00:00
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