『Iターン』義理人情を重んじる古田新太の親分肌に影響を受けたムロツヨシが、”いい上司”に!
#ムロツヨシ #Iターン
黒木瞳と黒木香が共演するドラマ
第1話から一貫してムロが転落し続けている。あまりに希望が感じられない現状だ。
このドラマのオープニングはムロが必ずひどい目に遭う……からの夢オチという流れが常なのだが、悪夢の内容もだんだんハードになってきた。現実がつらいので、夢さえも真に受けて疑心暗鬼になるムロ。単身赴任先のアパートの一室に飾る家族写真が泣ける。
古田と田中の板挟みに遭い、窮地に陥るムロはドツボだ。しかし、それよりも、妻や娘からATM扱いされ、窮地の原因である土沼と仲良さげに付き合わなければならない姿に世の不条理を感じてしまう。今回はチワワの昌三さんの出番がなく、笑いどころは古田がムロにBB弾のエアガンを撃ったくだりくらい。この6話は特に暗かったのだ。確かに撃たれるムロの姿は、岩切組の牧歌的な雰囲気を強調する大事な場面でもあったのだが。
ちなみに『Iターン』の監督・内田英治は、今話題の問題作『全裸監督』(Netflix)のほうでもメガホンを握っている。同作で黒木香役を務めた森田望智は、今作でスナック「来夢来都」のホステス・めぐみ役を演じている。スナックのママを演じる黒木瞳と2人が並ぶシーンを見ると、「黒木瞳と黒木香が共演してる!」と今さらながらテンションが上がってしまった。
古田の親分肌に影響を受け、いい上司になるムロ
第6話のテーマは、義理と人情を重んじる岩切組と、「世の中、金」と言わんばかりに冷酷な竜崎組のコントラストだ。警察と癒着する竜崎組の策略で、岩切組がケツ持ちする風俗店は次々に摘発された。「こげんことなら岩切組に頼むんじゃなかった!」と吐き捨てる風俗店店長に、頭を下げて侘びる古田。
「風俗店言うて城島のガキどもが目の敵にするけどな、女の子も従業員もこれでメシ食うとるんじゃ。ワシらは、守ってやれんかったんじゃ」(古田)
前々クールに同じ枠で放送されていたデリヘルのドラマ『フルーツ宅配便』と関連付けて古田のセリフを聞くと、彼の言葉はより重く響いてくる。風俗店店員の生活まで気に掛けるヤクザの組長というのもなかなかいないはずだ。仁義を重んじる古田の性分が伝わってくる。
ムロは竜崎組の息がかかった居酒屋で、絵に描いたようにぼったくられた。ムロは岩切組に電話し、助けを求めた。
ムロ「お金が足らなくなりまして、ちょっと、どなたかにお願いできませんか……?」
古田「やかましい! つまらんことで電話してくんなっ!」
いや、なんだかんだで古田は優しいのだ。口では冷たいことを言っておきながら、数分後に自ら店にやって来ているのだから。
「ワシの舎弟からぼったくるとは……ええ根性しとんな、コラ!」(古田)
義理堅く、舎弟の面倒見はいい。古田の親分肌は、明らかにムロに響いた。田中に「岩切組のスパイになれ」と脅されたムロは、自分を助けてくれた古田の後ろ姿を申し訳なさそうに見つめていた。
第5話にて激しく失恋した渡辺と愛理。金欠も顧みず、ムロは奢るつもりで2人を飲みに誘う。部下の恋と奮起をムロなりに応援する心意気だ。実は、ムロは少しずついい上司になってきている。コワモテの割に子分から慕われる古田の人間性が、ムロに影響を与えている気がしてならない。
古田と田中の板挟みに遭い、どちらの組に付くべきか岐路に立たされたムロ。しかし、最近のムロを見ていると、もう答えは出ている気がする。
(文=寺西ジャジューカ)
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