お通し代にソープの入浴料まで……外国人旅行客とのトラブルが多発する日本固有の「暗黙の了解」
来年の東京五輪を控え、海外からの インバウンド(訪日旅行)ブームが続いている。昨年の訪日外国人旅行客は3,119万人超で過去最多を記録。今年も、前年の記録を上回る月が続いている。
そんな中、観光地のキャパシティ以上の観光客が訪れる「オーバーツーリズム」など、各地で外国人旅行客をめぐる問題も相次いでいる。
特にトラブルに発展しやすいのが、海外ではなじみが薄い、日本独特の商慣習だ。
「飲食店での支払いをめぐって、店側と外国人旅行客がもめるケースが増えているようです。トラブルになりやすいのが、居酒屋や小料理店などで出される『お通し』の代金。関西では『突き出し』とも呼ばれますが、海外では見られない商慣習です。従業員に個別にサービス代として支払うチップ制がある欧米人には理解を得られやすいですが、アジア圏ではこの種の商慣習はありません。そのため、会計時に『注文していない』などと支払いを拒否する例が後を絶たないんです」(都内の旅行代理店関係者)
近年、外国人旅行客の流入が相次いでいる沖縄でも「お通し」」をめぐるトラブルが続発しているようで、地元紙でトラブル防止のための飲食店の取り組みが報じられている(https://ryukyushimpo.jp/news/entry-962931.html)。
一方、こうした「お通し」以外にも、日本には店側と客側との暗黙の了解の上に成り立っている商慣習が存在する。日本文化をもっと深く知ろうとする外国人旅行客が増えている中、異文化理解の不足に起因する問題も、列島各地で相次いでいるという。
「カウンター越しに寿司職人が一貫ずつ寿司を提供する高級寿司店などでは、一部のネタを『時価』に設定している。その日によって仕入れ値が変動するための措置だが、これもトラブルの種になっています。外国人旅行客の中には、値段を確認せずに注文して、後で『高すぎる』と文句を言う人も少なくないようです」(同)
表側の日本文化のみならず、よりディープな日本社会の裏側をのぞき見ようとする外国人旅行客の中には、「大和なでしこ」との交歓を楽しもうと風俗に足を運ぶ者も少なくない。そこにも火種は潜んでいる。
「外国人旅行客の中で特に人気を集めているのがソープランド。中国人を相手にする旅行代理店の中には、都内をめぐるツアー日程の中に『吉原』を組み入れている業者もいるほどです。ただ、ソープランドは売春防止法による摘発を免れるため、ソープ嬢によるサービス料を明記していない店がほとんど。表向きの入浴料だけで事足りると勘違いした外国人客が店側にクレームをつけてもめ事になることがあるようです」(同)
列島各地で「ここが変だよ」と声を上げる外国人たち。われわれにとっても、日本文化の特異性を再発見する機会になりそうだ。
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