反中デモへの意趣返し!? 中国が香港に「カンフー・アイスホッケー」
#中国 #香港
逃亡犯条例をめぐり、香港では連日、大規模デモが行われている。市民の怒りの矛先は中国政府にも向けられ、反中傾向が急速に広まっている。そんな香港と中国の今の関係を象徴する事件が発生してしまった。
ニュースサイト「香港01」(8月1日付)によると7月31日、中国河北省承徳市で行われたアイスホッケーの試合で大乱闘が勃発した。この試合は、U20の香港チームと中国チームで行われていたのだが、試合が終盤に差しかかり、香港チームが11:2でリードする展開となったところ、突然場内の様子が一変。中国チームのメンバー7名が、なんと香港チームに殴りかかったのである。
香港チームの監督は、この時の様子をカメラで撮影し、のちにSNS上に投稿した。その動画を確認すると、赤いユニフォームを着た中国チーム7名が、香港チームのメンバーに殴る蹴るの暴行を加えている。審判たちが仲裁に入るが、数分間に及んで暴行は続けられた。馬乗りで殴りつける様子も映っており、常軌を逸したすさまじい状況が確認できる。香港チームは抵抗することなく、ひたすら耐えていたのだった。
こうした事態となった原因について、メディアの取材に応じた香港チームの監督は、「当時、香港チームが大きくリードしていたため、中国チームはかなりいら立った様子だった。イライラが爆発し、あのような暴力行為を働いたのではないか。スポーツマン精神に反する行為で、救いようがない」と、中国チームの行為を強く非難している。
一方、中国アイスホッケー協会は今回の事件についてコメントを発表し、暴行を働いた中国チームの複数のメンバーに対し、1年間の出場禁止処分 を下した。
中国といえば、サッカーの試合中に暴力行為に及ぶ「カンフー・サッカー」が有名だが、今回は「カンフー・アイスホッケー」となってしまった。同競技は氷上の格闘技とも呼ばれるが、ルールに反した暴力は看過できない。
今回の事件を受けて、香港のネットユーザーからは、「中国人にスポーツマン精神を理解させることなんてできない。中国人は香港に入ってこないでほしい」「中国に忖度する香港政府は、こうしたことがあっても静観するだけ」など、中国を非難するコメントが多く寄せられている。すでに国民感情までも悪化の一途をたどる香港と中国、こうした民間交流の継続も、今後は難しくなるのかもしれない。
(文=青山大樹)
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