『Iターン』救いのなかったムロツヨシに初めて見えた光明 ”牧歌的ヤクザ”古田新太と信頼関係芽生える
#ムロツヨシ #Iターン
万札でうんこを拭こうとしたムロツヨシ
ホルモン店でのすったもんだは、原作小説でもかなり印象的なシーンだった。ここでの流れをムロは好演している。
竜崎組から借りた金を大事に抱え、トイレでうんこするムロ。出し終わった後、尻を拭こうとしたのに紙がない! 迷った挙げ句、ムロは「1枚くらいいいですよね」と1万円札で拭こうとするのだ。明らかにムロは正気を失っている。普通なら自分のパンツや靴下、もしくはトイレットペーパーの芯を使うなど、もっとマシな手が思い浮かびそうなもの。テンパった人間が陥る判断力の欠如を彼はうまく表現している。
すると、バッグの中から幸か不幸かムロは白い粉を発見してしまう。トイレの個室で繰り広げられる出来事がジェットコースターすぎて、さすがにかわいそうになってきた。しかも、竜崎組が用意したのは万札ではなく、ただのペラペラの紙だったし。ハメる気まんまん!
古田がムロからバッグをぶん取ると、客を装っていた刑事たちが古田の身体検査をし始めた。ヤバイと思ったムロは、一か八か白い粉を烏龍茶に入れてグイッと飲み干す。これが、結果的に古田を救う形になった。
古田「そうかあ~。お前、ワシを守ろうとしたのか」
ムロ「そうですよ! 僕は組長を守ろうとしたんですよ!」
古田「お前の中に、まだそんな男気があったとはな。その目を忘れんな。人間、目が腐ったら終わりやからのう」
前回までは窮地になっても人に責任をなすり付けようとし、さらにドツボにハマるという負のループから抜け出せなかったムロ。しかし、今回は自らの判断で行動。結果、ギリギリで最悪の事態を免れることができた。ラッキーパンチが奇跡的にヒットし、ピンチをチャンスにしてみせた! まさに、自分で自分の尻を拭ったのだ。さらに、古田との間に信頼関係らしきものまで芽生えている。このドラマが始まって4話目で、初めて見えた光明だ。ただし、竜崎組との対立は決定的なものとなったが……。
田中「あのガキィ……!」
裏では警察ともつながる田中圭陣営 VS 古田&ムロ陣営という構図がようやくはっきりした今回。そうでなくては、ムロと古田が並んで波打ち際を歩く牧歌的なエンディングもしっくりこないというもの。
原作小説を参考にすると、『Iターン』はここからだんだん面白くなっていく。
(文=寺西ジャジューカ)
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