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日刊サイゾー トップ > エンタメ > ドラマ  > 『べしゃり暮らし』実写化に意義は?

吉本騒動の渦中でスタートした『べしゃり暮らし』は意義ある実写化になるか?

テレビ朝日『べしゃり暮らし』

 7月27日より、『べしゃり暮らし』(テレビ朝日系)がスタートした。「M-1グランプリ」に出場するほどお笑い好きな森田まさのりが手掛けるマンガのドラマ化だ。吉本興業が揺れているこのタイミングで、お笑いを真正面から扱った作品が映像化されるというのも不思議な縁である。

第1話あらすじ 笑いのためには髪を剃り上げることも厭わない“学園の爆笑王”

 上妻圭右(間宮祥太朗)は幼い頃から人を笑わせることが大好き。笑いのためなら命懸けでなんでもやる“学園の爆笑王”だ。いつもの調子で、親友の子安蒼太(矢本悠馬)たちと昼の校内放送で軽快なトークを届けていた圭右の前に、関西出身の転校生・辻本潤(渡辺大知)が現れる。圭右は辻本の関西弁を聞くや否や、彼を放送に引き込んだ。すると、突然のアドリブにもかかわらず辻本が絶妙な掛け合いを披露し、全校中が大爆笑に。

 蕎麦屋を営む圭右の父・潔(寺島進)は、大の付くお笑い嫌い。かつては芸人の面倒を見ていたが、そのうちの1組「ねずみ花火」が店をけなすネタを行ったせいで客足は遠のき、外に働きに出た圭右の母・美津子(篠原ゆきこ)は過労で亡くなってしまった。このことが原因で、圭右がお笑いに打ち込むことを反対するようになる。

 辻本が元芸人だと知った圭右は、ライバル心を抱いて“打倒辻本”を掲げた。一方の辻本は、笑いを取るためには髪を剃り上げることも厭わない圭右に興味を抱く。そして、文化祭で行われる漫才コンテストに向けてのコンビ結成を圭右に持ちかけた。コンビ名は、「きそばAT(オートマティック)」。

 きそばATはコンテスト前に満足のいくネタを完成させる。しかし、他のコンビが2人のネタをパクリ、出番直前にそのまま披露してしまった。窮地に陥る2人だが、圭右は「適当にボケるから適当にツッコめ」と辻本にアドリブ漫才を提案。結果、会場は大爆笑に。実は観に来ていた潔も、2人の漫才に笑顔を見せた。コンテスト終了後、辻本は圭右に「本気で芸人を目指さないか?」と持ち掛けた。

連載当時とは受け入れられやすい笑いの形が変わった

『べしゃり暮らし』の連載が「週刊少年ジャンプ」(集英社)で始まったのは2005年。当時と比べ、世間にウケる笑いの質は変わった。例えば、ねずみ花火がテレビで店のことを「まずい」「汚い」とネタにし、そのせいで客足が遠のいたくだり。かつては芸人特有のイジりとしてよくある手法だったが、放送当日のSNSを見ると「人をディスる笑いは最低!」と拒否反応を示すツイートが多く見受けられたのだ。さらに、文化祭できそばATが披露した即興漫才の内容(文化祭で客が入らなかった展示をイジる)にも「そういう笑いで家族が傷付いたのに自分も同じことをしている」と非難の声が上がっている。

 どちらのネタも、原作の漫才をそのまま再現したものだった。時代によって受け入れられる笑いの形はこうも違うのかと突き付けられた感がある。お笑いを題材にしたドラマは、とかくデリケートで難しい。

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