香港デモにマフィア投入! 中国共産党と黒社会のズブズブ関係
#中国 #香港 #香港デモ
7月21日、香港の地下鉄で白シャツにマスク姿の男たちが鉄パイプで「逃亡犯条例」改正案に反対するデモ参加者など一般市民に襲いかかるショッキングな映像が世界中で放映された。映画であれば、ジャッキー・チェン扮する香港警察が助けに駆けつけるところだが、実際に警察官が来たのは、通報から1時間も経過した頃だった。
以前、当サイトでもお伝えしたが(参照記事)、ジャッキーはいまだに一連のデモについて語ることはなく、すべてのSNS公式アカウントで沈黙を続けている。27日には、そうした暴力行為に反対するため元朗地区でデモが行われ、香港メディアによると29万人が参加。警察官が催涙弾を使用するなど、激しく衝突した。
白シャツ軍団は犯罪組織「三合会」のメンバーで、警察とつながりがあるのではないかとの疑惑がメディアで報じられてきた。親中派の議員と白シャツの男が握手している動画がネット上に出回ったことでその疑惑は深まっているが、背後にはもっと大きな存在があるようだ。
米政府系メディア「ラジオ・フリー・アジア(RFA)」は26日、中国語版のTwitter公式アカウントで、中央人民政府駐香港特別行政区連絡弁公室(香港中連弁)新界工作部の李 部長が11日に開かれた委員会で、「彼ら(反条例デモ参加者)が元朗に来て事 を起こすのを許さない」と発言している動画を公開した。香港メディアは、この発言が三合会に行動を起こさせる大号令になったと指摘。確かに中国政府の出先機関幹部の発言だけに、その影響力は無視できない。中国政府の意向をくんでの発言だったとしてもうなずける。
香港マフィアと中国共産党がつながっているという見方は根強く、天安門事件の学生指導者だった王丹氏は、自身のFacebookで「中共(中国共産党)は黒社会(反社会的組織)化している」と指摘。王氏によれば「黒社会を利用して統治するのは中共の既定方針」であり、「一党独裁政権が黒社会と結託するのは、歴史上よく見られた」こと。「体制そのものが反社組織となんら変わらない」と断じる。
それを裏付けるように、米ニューヨークに本部を置く明鏡新聞出版集団の何頻総裁は22日放送のRFAのインタビューに対し、香港マフィアと中共が接触するようになったのは、1997年の香港返還前までさかのぼると具体的に言及している。何氏によると、香港返還をスムーズに行うため、公安部の陶 部長(当時)が反社組織と接触。陶氏は「黒社会にも愛国はある」とその存在を容認し、中共の要人が香港を訪れると、マフィアが身辺保護をするようになる。そうした中で香港マフィアは、中共にとって欠かせない警備部隊になっていったと何氏は説明する。つまり、香港マフィアと中共はズブズブの関係なのだ。
国際社会の目もあり、かつてのように人民解放軍をデモの現場に投入するのは難しい。となると、香港警察やマフィアを利用した弾圧が今後も続くのだろうか? 天安門事件のような悲劇が再発しないことを願いたい。
(文=大橋史彦)
サイゾー人気記事ランキングすべて見る
イチオシ記事