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薬物でパクられたら裁判でどう戦うのか?【1】

取り調べで黙秘しても保釈可能 裁判前に依存症治療施設で教育! 薬物犯罪で逮捕された後の戦術

 また、先ほどA氏は「証拠不十分であれば、不起訴になる可能性が出てくる」と言ったが、それこそ例示されたような違法捜査などがなければ、現実的には薬物事件で不起訴を獲得するのは非常に難しいという。

「覚せい剤の自己使用などは、ほぼ間違いなく起訴されます。ただし初犯であれば、覚せい剤の単純使用なら懲役1年6カ月の執行猶予3年、大麻の単純所持なら懲役6カ月の執行猶予1年と、ほとんどは執行猶予が付く」(前出・藤本氏)

 なお、起訴になるか不起訴になるかは、原則として勾留期間が満期を迎えるまでに決定される。そして起訴された場合は、被疑者勾留から、勾留期限のない被告人勾留に切り替わる(被告人勾留の期限は2カ月だが、以降は1カ月ずつ更新されることが認められ、更新回数に制限はない)。そんな長期間も勾留されてはたまらないので、保釈を求めることになる。

「刑事訴訟法では、罪証隠滅や逃亡の恐れがなければ原則として保釈は認められます。特に薬物事犯の場合、大体、所持で現行犯逮捕されているので、容疑を認めないというのが難しい。だから基本的には保釈は下りやすい」(前出・A氏)

 では先述のように、勾留中の23日間、黙秘を貫いても保釈は降りるのか?

「勾留期間が満期を迎えて起訴された瞬間から、被疑者は被告人になります。これは単に名前が変わるのではなく、立場が変わる。つまり、被疑者は取り調べの対象ですが、被告人は裁判で争う権利を憲法上与えられた当事者。よって、起訴されて被告人になったら取り調べに応じる必要はなくなり、そこで初めて『起訴されたし、しょうがないから自白しますよ』と言うことも可能。そうすることで、勾留中の取り調べで一切の情報を与えないまま保釈になることも可能です」(同)

 ただし、保釈されても、被告人は自由に動けるわけではない。

「保釈のために、まず身柄を引き受ける人――『裁判所には私が責任を持って出頭させます』と言う人の誓約書を弁護人は用意。また、我々は『制限住居』という言い方をしますが、実家で薬物を使っていた人なら、保釈中は叔父の家などに住んでそこから出ないようにしてもらうとか、移動時も必ず叔父を同行させるとか、携帯電話を取り上げるといった条件をつけた上で保釈してもらいます。いずれも、罪証隠滅と逃亡の可能性を消すための措置です」(藤本氏)

■依存症の治療を受けて刑務所に入る理由を消す

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