『チャーリー・セズ』全米を震撼させたシャロン・テート事件の真相
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白人と黒人との間でハルマゲドンが起きる!?
ファミリーを率いるマンソンの教義は、恐ろしいまでにチープだ。ビートルズが歌う「ヘルタースケルター」を予言書だと勝手に解釈し、白人と黒人との間で最終戦争〈ハルマゲドン〉が起きると説く。最終戦争が起きている間、ファミリーは地下洞窟に潜み、戦争後の新世界を統治するのだと。トリップ中に見た幻覚や妄想をそのままマンソンは予言だと主張し、洗脳状態にあるファミリーに信じ込ませた。ファミリーの誰かがマンソンの教義に疑問を覚えそうになると、暴力と恐怖で混乱させ、理性を奪い取った。かくしてマンソンの言う最終戦争の始まりとなる69年8月を迎える。
シャロン・テートをはじめとする罪のない市民5名への無差別殺人を命じたマンソンだが、カリフォルニア州では一時的に死刑制度が廃止されたために極刑を免れ、2017年まで獄中で生き続けた。享年83歳。悪のシンボルとして、死後も脚光を浴び続けている。
殺人事件の実行犯となったマンソン・ガールズのパトリシアとレスリーは、現在もロサンゼルスの刑務所に収監されている。収監後も洗脳がなかなか解けず、マンソンが語った最終戦争後の新世界を嬉々として信じ続けた。チャールズ・マンソンは「最終戦争後、お前たちの背中から翼が生えて、空を飛べるようになるんだ」と彼女たちに語っていたそうだ。
(文=長野辰次)
『チャーリー・セズ マンソンの女たち』
原作/エド・サンダース 脚本/グィネヴァ・ターナー 監督/メアリー・ハロン
出演/ハンナ・マリー、ソシー・ベーコン、マリアンヌ・レンドン、メリット・ウェヴァー、スキ・ウォーターハウス、チェイス・クロフォード、アナベス・ギッシュ、ケイリー・カーター、グレイス・ヴァン・ディーン、マット・スミス、ジェイムズ・トレヴェナ・ブラウン、ブライアン・エイドリアン
配給/キングレコード +R15
「カリテ・ファンタスティックコレクション2019」7月31日(水)15時15分〜、8月1日(木)20時30分〜、8月3日(土)18時30分〜、8月5日(月)10時30分〜、8月9日(金)10時30分〜、新宿シネマカリテにて上映
©2018 SQUEAKY FILMS, LLC
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