『チャーリー・セズ』全米を震撼させたシャロン・テート事件の真相
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1960年代後半の米国ではフラワームーブメントが花開き、若者たちはロックと愛と自由を謳歌した。だが、そんな新しい時代の空気は邪悪な犯罪によって、一気に萎んでいく。69年8月9日に起きた「シャロン・テート殺害事件」だ。チャールズ・マンソン率いるカルト集団マンソン・ファミリーは、ハリウッドで暮らす人気監督ロマン・ポランスキーの妻であり、女優でもあったシャロン・テートたちを殺害し、黒人結社「ブラックパンサー」の仕業に見せようとした。シャロンはなんの罪もないどころか、妊娠8カ月の身だった。映画『チャーリー・セズ マンソンの女たち』(原題『Charlie Says』)は、マンソン・ファミリーの実像に迫った驚愕のノンフィクションドラマとなっている。
シャロン・テート事件は50年がたった今も、米国史に暗い影を落としている。クエンティン・タランティーノ監督の新作『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(日本では8月30日公開)も、この事件をモチーフにしている。ひと足先に公開される本作は快楽殺人鬼を主人公にした『アメリカン・サイコ』(00)の女性コンビ、メアリー・ハロン(監督)とグィネヴィア・ターナー(脚本)が、まだ事件の記憶が生々しく残る71年にエド・サンダースが取材・執筆した『ファミリー シャロン・テート殺人事件』(草思文庫)をベースに映画化したものだ。
恐怖の殺人集団マンソン・ファミリーを、本作では事件に関わるハメになった女性たちの視点からドラマ化している。主演は『ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール』(14)で育ちのよいお嬢さんながら、バンド活動に熱中するピュアな女子高生キャシーを好演した英国女優ハンナ・マリー。ハンナ演じるレスリーがちょっとした好奇心からチャールズ・マンソンに近づき、やがて洗脳されていく過程がじっくりと描かれている。
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