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週刊誌スクープ大賞

ジャニー喜多川氏の陰の部分を書かず、美辞麗句を並べたFRIDAYやAERAは恥ずかしくないのか?

 さて、まずは、参議院選の話題からいこう。新聞によると、参院選に関心のある有権者は18%程度だという。

 この数字が本当だとしたら、この国は異常だといわざるを得ない。これだけ、年金問題、統計不正など、数え挙げたらきりがないほどの大問題が山積している安倍政権に対して、ノーを突きつけることができる国民唯一の機会を使わないのは、愚かというだけでは言葉が足りないだろう。

「ウソは安倍の始まり」という言葉が生まれたように、ウソと、誤魔化しと、無視を続けてきた安倍政権を、このままダラダラ続けさせるのか否かを示す千載一遇のチャンスである。

 入れたい野党がないなどという理由は、それこそ理由にならない。現政権にノーと思うのなら、安倍自民党、公明党以外の党に投票すればいいのだ。反安倍、非安倍を明確にすることでいい。そうすれば、もし与党で過半数を占めても、彼らは「民意」を怖れるに違いない。

 AERAは、アウトドア企業の「パタゴニア」が、参議院選の投開票日の7月21日を、直営店22店舗全部、休業すると発表したと報じている。

 パタゴニアの社会部門シニアディレクターの佐藤潤一はこういっている。

「若年層の投票率の低さが問題になっていますが、若い人たちは機会を逸しているのではないか。パタゴニアとして何ができるかを考え、こういう機会を作りました。若い人には投票に行くことをかっこいいと感じてほしい」

 企業は、自社のイメージアップ戦略を考えているが、これなどは大ヒットではないか。

 ここを知らない私でも、今回名前をしっかり覚えた。週刊プレイボーイに、君たちは年金がいくらもらえるかを試算したものが載っている。

 アルバイトA君の場合。独身32歳・飲食。平均月収が20万円で、国民年金のみを20年間払い続けても、もらえる月の年金額は2万6003円にしかならない。

 このケースは私の次男と同じである。彼の老後は悲惨の二文字でしかないのかもしれない。今若い人たちが行動を起こさないと、手遅れになる。立て! 若者たちよ。

 サンデー毎日に、倉重篤郎が、参院選の争点は何かという一文を書いている。

 このおっちゃん、決まりきったことしかいわないが、おさらいの意味で紹介しておく。

 安倍政権の第一の罪は、メディアが代行する「国民の知る権利」への敵視。ここでも東京新聞の望月衣塑子記者への質問妨害が取り上げられているが、それだけではない。トランプ大統領以上かもしれない、自分を批判するメディアいじめ、迎合するメディアやメディア人たちを可愛がるやり口は目に余る。

 第二の罪は、三権分立で同格であるはずの国会の徹底した軽視だ。第三の罪はモリ・カケ問題を起こしたことである。これは前代未聞の権力の不祥事である。

 第四の罪は、霞が関官僚、特に財務省という最重要官庁をここまでもかというほどにダメにしてしまったことだ。

 第五の罪は、財界をもスポイルしてしまったことである。第六の罪は、後継者を育てなかったこと。

 これらの罪は、安倍がいなくなったとしても、自民党政権が続く限り、終わることがなく、引き継がれていく。

 これからも多様化していく世界に対応していくためには、いったん、自民党政権を終わりにするしかないと、私は考えるのだが。

 さて、週刊誌の参議院選予測も出そろった。各誌を今一度見てみよう。現代では政治ジャーナリストの鈴木哲夫、選挙プランナーの松田馨、時事通信解説委員の山田惠資が予想している。

 結論は、自民党の獲得予想議席数は、選挙区・比例の合計で56議席になると読んでいる。

 65議席を獲得して大勝した13年からは10議席前後減らすが、与党が過半数になる53は超えると見ている。

 憲法改正に必要な与党で3分の2にはならないが、安倍首相の命脈は保てる議席にはなるというのである。

 次はサンデー毎日。選挙プランナーの三浦博史が予想している。自民党は選挙区で43議席、比例で18議席の計61議席を獲得すると見ている。

 2016年の参議院選を上回り、非改選と合わせると117議席だが、単独過半数の123議席には届かない。年金問題も、閣僚たちの数々の失言も、消費税増税も、有権者は気にしていないかのようで、まさに「ほくそ笑む安倍政権」である。

 では文春はどうか。7月7日に、私の住んでいる中野駅の北口で、安倍首相の丸川珠代応援演説会があった。

 安倍が街宣車から降りると、一部の聴衆から「安倍辞めろ」コールが起き、「会場は異様な雰囲気に包まれた」(文春)という。安倍は、こういう事態に備えて、応援演説の日程を公表していない。

 なぜこの日は漏れたのか? 前日の読売新聞に、丸川が「安倍が来る」という広告を掲載してしまったからだというのだ。これには官邸が激怒したというが、それはそうだろう。

 文春で、政治広報システム研究所の久保田正志代表が参院選を分析している。党派別に見ていくと、自民党は現有議席を大きく減らし、11議席減の55議席になるという。安倍が目指している60台には届かない。

 自公の合計でも69議席。非改選と合わせると139議席で過半数には達する。日本維新の会を8議席と読んでいるから、維新の非改選と合わせても改憲勢力は153議席どまり。

 久保田は、自民の伸び悩みの背景をこう分析している。

「野党が低調なこともあり、選挙への関心は高まっておらず、投票率は50%に届くか届かないか、という程度でしょう。

 本来、低投票率のときは、自民党に追い風が吹く、後援会や地方組織がしっかりしているためです。新聞各社が選挙戦序盤の情勢分析では自民有利としているのも不思議ではありません。しかし、自民党は飽きられています。小池百合子東京都知事が希望の党で国政に挑んだ17年の衆議院選の結果を分析すると、希望と立憲民主党の獲得票数の合計が、自民党票を上回る選挙区が48ありました。そのため、自民党の足腰の弱い選挙区では、野党にひっくり返される可能性が大きいのです」

 これで、枝野立憲民主党党首が、カラオケに注ぎ込んでいる情熱のいくばくかを選挙に向けてくれれば、終盤に盛り上がるのだろうが。

 今回の参議院選は、自民党に勝つ要素など何もないはずだ。ここへきて、かんぽ生命が詐欺といわれても仕方がない保険販売をしていたことが発覚し、社長がこれを認めて謝罪した。

 かんぽといえば、以前大きな問題になった「かんぽの宿」を思い出す。日本郵政が07年に旧郵政公社から引き継いだ70の宿は、土地の取得や建設などの費用が約2400億円もつぎ込まれていた。それを、評価額を126億円に圧縮し、一括入札であのオリックス・グループに109億円で売ってしまったことで大きな政治問題になった。日本郵政は未だに政府が大株主である。もやは、安倍政権が腐敗し、あちこちから腐臭が漂っているのは間違いない。

 週刊プレイボーイが山本太郎の「れいわ新選組」を取り上げている。いい視点だ。

 私見では、山本という人間はあまり好きなタイプではない。だが、今回の動きは注目に値すると考えている。

 何しろ、重度障がい者の木村英子と、難病ALS患者のふなごやすひこを候補として引っ張り出したのだから。

 ほかにも、蓮池透や「女性装」として知られる東大教授のやすとみ歩、創価学会員として沖縄辺野古基地建設を反対した野原ヨシマサなど、異色の面々を集めた手腕と努力は、賞賛に値する。

 しかも、比例の1,2位を障がい者の2人にして、山本は3番目に退いたのである。

 寄付も2億5000万円を集め、街頭演説時に設けられるテントには、寄付する人の列ができるという。

 異端児、ウケ狙い、売名など、山本には、こうした声が浴びせられることがある。それを軽く受け流し、テレビや新聞は取り上げないが、山本の選んだ候補たちは、多くの有権者たちの関心を集めている。

 木村やふなごが当選したら、国会が変わらざるを得ない。障がい者が議員になることは、かつてもあったが、今回は立場が違う。

 山本のような人間がもう少し出てくれば、日本の政治は変わる。今回は大注目である。

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