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深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】vol.539

『ハッパGoGo』世界で初めて大麻を合法化したウルグアイ産映画

ウルグアイで薬局を営むアルフレド親子は、マリファナ供給ルートを米国で確保しろという極秘ミッションを受ける。

 人気アイドルグループ「KAN-TUN」の元メンバー・田口淳之介、元女優の小嶺麗奈が逮捕されたことで、注目度が急上昇した大麻(マリファナ)。タバコや酒より中毒性は低いんだから大騒ぎしなくてもいいんじゃないかという声がある一方、ドラッグの売り上げは裏社会に流れるから絶対にダメという否定派も少なくない。『テッド』(12)など米国のコメディ映画ではおなじみのマリファナだが、医療用大麻も禁じられている今の日本ではなかなかその実像は見えてこない。日本人が感じるモヤモヤ感をすっきり晴らしてくれるのが、南米ウルグアイ産の映画『ハッパGoGo 大統領極秘指令』(原題『Get the Weed』)だ。

 本作のキーパーソンとして登場するのは、ウルグアイの前大統領ホセ・ムヒカ、愛称ペペ。報酬のほとんどを貧しい人たちに寄付し、町はずれの農家に奥さんと2人きりで暮らし続けていることから“世界でいちばん貧しい大統領”と呼ばれ、一躍有名となった。また、2013年にはウルグアイを世界初の大麻合法国にしたことでも知られている。そんな個性派大統領がノリノリで出演している『ハッパGoGo』は、リアルとフィクションがブレンドされたユニークなドラマとなっている。

 ムヒカ大統領が大麻合法化に踏み切った理由はとても明快だ。かつては“南米のスイス”と呼ばれるほど民度が高かったウルグアイ。だが近年は犯罪が急増し、ドラッグ常用者も増えている。そこでムヒカ大統領は、大麻を合法化してしまえば、密輸業者に打撃を与え、裏社会へと流れる闇マネーを止めることができると考えた。また、大麻を国が統制すれば、大麻に過度に依存してしまう人を減らすこともできるはずだと。実際にウルグアイでは、2017年から国が指定した薬局で大麻が市販され、一般市民が購入できるようになっている。

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