NGT48暴行事件の犯人出廷で「メンバー関与の有無」は明らかになるのか
NGT48を運営する株式会社AKSが、元メンバー・山口真帆への暴行容疑で逮捕(不起訴処分)された男性ファン二人に対して、3000万円の賠償金を請求している裁判。その第1回口頭弁論が今月10日に新潟地裁で開かれた。訴えられた2人は請求の破棄を求め、争う姿勢を示したという。
AKSの訴状などによると、男性ファン二人は暴行事件直後、山口真帆らに対して事件には「メンバーが関与している」と説明。しかし、実際にはメンバーは関与しておらず、その証言によってグループ内の信頼関係が損なわれたうえ、ネット上ではメンバーへの誹謗中傷が起こり、劇場公演を中止せざるを得なくなった。そのほか、広告の打ち切り、警備対策費用、事件によって発足した第三者委員会への報酬が発生。その総額は1億円を超えるといい、3000万円の賠償を二人に求めている。
第一回口頭弁論に被告側の姿はなかったものの、事前に被告側が提出した答弁書には、請求の破棄を求める旨が記載されていたようだ。
AKSの代理人弁護士「AKS側にも瑕疵があったのかは申し上げにくい」
AKSの代理人弁護士は第一回口頭弁論を受け、会見を開き記者らの質問に回答した。
代理人弁護士によると、今回の裁判は損害賠償金の請求だけではなく、暴行事件の真相を解明し、再発防止につなげる意図もあるという。また、メンバーやメンバーの家族もそれを求めているようだ。グループの仕事が打ち切られ不安な状態に置かれているメンバーや、そのような環境のNGTに娘を預けた家族にとって、真相究明を求めることは当然だろう。
また、山口真帆の自宅に押しかけた男たちに非があることは確かながら、事件発生後、そして山口が告発して以降も、AKSが不誠実な対応を取り続けたことが、ここまでNGT48の立場を悪化させた要因といえるだろう。
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会見でも記者から「(被害総額が1億を超える計算なのに)損害賠償金の請求が1億円ではなく3000万円なのは、AKSにも損害を招いた理由があるからなのか」という質問が飛んだが、代理人弁護士は「AKS側にも原因があるからではない」と返答。なお、「AKS側にも瑕疵(欠点)があったのか」という問いには、「私の立場からは申し上げにくい」とのことだった。
冒頭でも述べたように、山口真帆へ暴行を加えた男性ファン二人は逮捕されたものの、不起訴になっている。しかし、AKSの代理人弁護士によると、AKSは犯人が不起訴になった理由を現在も把握していないという。
山口はグループ卒業を発表した公演で、AKSの代表取締役である吉成夏子氏から「『不起訴になったことで事件じゃないということだ』と言われ、そして今は会社を攻撃する加害者だとまで言われ」と明かしたが、AKSが不起訴になった理由を調査すらしていなかったとしたら、なんとも粗末な対応だ。
犯行直後のやりとりを振り返る
昨年12月の事件発生直後、山口真帆と助けに駆けつけたメンバーが男たちを詰問する様子を録音したデータを、5月に「デイリー新潮」が公開しているが、そこでは確かに数名のメンバーの名前があがっている。ただ、男たち自身も、メンバーが事件に関与し、犯行を唆したなどとは述べていない。
山口真帆は一貫して、数名のNGTメンバーと男たちとのつながりを疑い、質問を重ねているが、これは男のひとりが「メンバーに相談し、メンバーに提案されて、やったこと」「こうすれば、まほほんと話せるよ、と提案された」と説明し、A・B・Cの名前を挙げたためだ。『山口真帆と話したいのなら、プライベートな空間で声をかければいい』といった趣旨のアドバイスを受けたと、明言している。
また、山口真帆が「なぜ自分の向かいの部屋の鍵を持っているのか?」「B(メンバーの名前)から鍵を受け取ったのか」と問いただすと、男らは「直接Bから受け取ったわけではない」と否定している。
この裁判では、山口の向かいの部屋の鍵を男らが入手した経緯や、なぜ男らがA・B・Cの名前を挙げたのかまで徹底的に明かされることになるのだろうか。
次回の裁判は9月20日に行われる予定だ。
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