『俺のスカート、どこ行った?』は超正統派学園ドラマだった! 伏線も全回収で、納得の最終回
#俺のスカート、どこ行った?
6月22日に放送された『俺のスカート、どこ行った?』(日本テレビ系)の最終回。
「ここから飛び降りて余命をリセットしよう」
原田のぶお(古田新太)が、「ほかにやりたいことがあるから」という理由で豪林館学園高校を辞めた。原田の不在に寂しさを感じる2年3組の生徒たち。彼らは、原田がやりたいことはなんだったのか話し合い、明智秀一(永瀬廉)は「卒業式をやろう」と提案する。そんな中、東条正義(道枝駿佑)だけは複雑な思いを抱えていた。原田が学校を辞めた本当の理由は体の具合が悪いからではないか? と思っていたのだ。入院中の原田は、東条から「卒業式に来てほしい」と言われ、“なんちゃって卒業式”へ行くことにした。
式当日、原田は短いメッセージを添えた手作りの卒業証書を生徒1人ひとりに渡した。そして帰ろうとする原田を明智は呼び止め、自分たちで作った原田の卒業証書を渡した。
「あなたは豪林館学園高等学校2年3組の発展において大きく貢献されました。よってここにその功績をたたえ深く感謝の意を表します。2年3組一同より」
受け取った原田は声を上げて泣いた。
そして、明智たちは原田を屋上へ連れて行き「ここから飛び降りたら1回死んだも同然。それで余命をリセットしよう」と提案する。布を広げた生徒たちが校庭で待っている。原田は屋上から飛び降り、みんなに受け止められた。泣きながら感謝する生徒たちに見送られ、原田は笑顔で学校を去った。
1年後、本当の卒業式を迎える2年3組の生徒たち。原田は卒業式に出席するため、学校に向かって全速力で走っていた。
最終話で伏線を全回収
いろいろな伏線が回収された最終回だった。
第1話で特に原田に反抗的な態度をとっていた東条は、最終話でも原田に突っかかった。
「勝手にギャーギャー体育館入って来て、メンチ切って来たくせに。勝手に若林のこと変えて、勝手に川崎のこと応援して、勝手に俺と若林を仲直りさせて、勝手に明智のこと救って、勝手に辞めて。やりたいことやるってわがまますぎんだろ! 俺らだって、のぶおとやりたいことできたんだよ。修学旅行行ったり、体育祭だってやってねえじゃん、まだ。お前ばっかやりたいことやって俺らにやらせないの、ふざけんじゃねえよ! 俺はお前のやりたいことってのが理由で学校辞めんの、全然納得いってないから」
原田の気持ちを察し、大人の態度が取れる明智。一方、気持ちをまっすぐにぶつける東条。どちらも原田を好きなことは変わらない。
原田の影響は、生徒だけでなく教師にも届いた。自分が校長になるための策略を図り、寺尾綴校長(いとうせいこう)と原田を窮地に追い込んだ矢野伸也(小市慢太郎)は頭を下げ、復職した。
「原田先生ならこうしたと思うんです。キツく叱った後で、しっかり許してたんじゃないかなと」(寺尾)
若林優馬(長尾謙杜)も、自分をいじめた明智と東条を許した。許し、受け入れてもらえれば、他者を尊重する人間になれるということ。原田が学校に持ち込んだ世界観である。
ずっと黒い服を着続けていた里見萌(白石麻衣)。「原田先生が辞めてからの学校は退屈」と言った彼女に原田は語りかけた。
「嫌なことも必要なのよ。ほら、差し色って大事じゃない? 白ばっかり、黒ばっかりじゃつまんないでしょ? 一色統一の中にどんな色を差し込むか。楽しいばかりじゃ、つまんないじゃない?」
卒業式で里見はカラフルなスカーフを差し色に巻いていた。「私の差し色になってください」という原田への告白は玉砕したが、原田のイズムは引き継いだ。ずっと黒一色だったのは、ここに至るまでの伏線だ。
第1話では若林が屋上から飛び降りたが、最終話では原田が屋上から飛び降りた。飛ぶ直前に生徒全員の名前を1人ずつ呼んだのは、「向き合える相手のことは名前で呼ぶ」という初回の原田の言葉につながっている。若林が飛び降りた後「つまんね~」と吐き捨てた明智が、率先して原田を受け止めようとしている。
「頼ってもいいぜ、ヤバいおじさん」(明智)
初めて原田を見たとき、明智は原田を“ヤバいおじさん”呼ばわりしていた。「子どもらしく頼ってこい」と原田に言われた明智が、今では頼られることを望んでいた。
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