今夜最終回! 『きのう何食べた?』原作とは別人に……西島シロさんと内野ケンジが愛おしすぎる!
#内野聖陽 #西島秀俊 #きのう何食べた?
ゲイで生きる苦しみを知るジルベールの毒舌
「ケンジを家に連れてこい」と言われたシロさん。迷いのある彼に気づきを与えたのは、佳代子さんの言葉である。
「親って変な生き物でしょ?」
いつまでたっても、親は子に「こうあってほしい」という思いを抱き続ける。心配のあまり余計なことを口にし、そして“変な生き物”になってしまうのだ。「彼氏を連れてこい」と言い出したり「孫の顔を見せろ」と要求したり……。
「なんだ、親の悩みはゲイもノンケも変わらないじゃないか」(シロさん)
クリスマスディナーの席で、シロさんは「ケンジを連れて実家に帰る」と言った。
「親にゲイの恋人を見せるなんて」(ジルベール)
この時点で、シロさんの考えに賛成する者はいない。彼らには、ゲイとして生きる苦しみが骨身に沁みている。だから、微妙な反応になってしまった。
「両親は俺がゲイだとわかったとき、最初にどう思ったんだろう。きっと両親は俺がゲイだってわかったとき、俺のことをかわいそうな子だと思っただろう。俺がこんな風になってしまったのは私たちの育て方が悪かったんじゃないかって自分を責めたかもしれない。だから、ゲイのなんたるかを知ってほしいってことじゃなくて、少なくともいま俺が両親が思ってるよりも不幸じゃないんだってことをわかってほしくて……ケンジをうちに連れて帰ろうって思ったんだ」(シロさん)
あまり感情を見せないシロさんが声を詰まらせ、泣きながら決意を口にしている。「幸せなんだ」ではなく「不幸じゃないんだ」と教えてあげたい。子は親の期待を背負って育つが、多くの子どもは親の期待通りには育たない。なのに「ノーマルじゃない」と自覚しているシロさんは、今の自分にナーバスになってしまう。だから、「自分は不幸じゃない」と親に教えてあげたい。最高の親孝行だ。
この日、ケンジは指輪をつけた。ジルベールに見せびらかすためだ。まさに、指輪マウント! でも、シロさんに「つけてほしい」とは言わなかった。シロさんの性格を知っているからだ。なのに、シロさんから「実家へ連れて行く」と言われた。シロさんが不幸じゃない理由は、ケンジと一緒にいるからである。普段、ケンジに愛を伝えないシロさんが、小日向さんとジルベールの前でそれを口にした。どんなにうれしかっただろうか。
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