元モーニング娘。の市井紗耶香が参院選出馬で「今井絵理子の二の舞」危惧する声
元「モーニング娘。」でタレントの市井紗耶香(35)が、来月の参院選に立憲民主党から比例代表候補として出馬することがわかった。市井の出馬を伝えるスポーツ紙のネットニュース記事が24日朝にYahoo!ニュースに転載されると、同日13時の時点ですでに11000件を超えるコメントがついた。これはコメント数としては大変多い数だが、その内容は市井の出馬に「いったいこの人が国政でなにをできるのか」と懐疑的、または否定的な声がほとんどである。
市井紗耶香は1998年にモーニング娘。に加入(二期生)、後藤真希、保田圭とのユニット“プッチモニ”でも人気を博した。だが在籍期間はわずか2年で、2000年5月に「シンガーソングライターになりたい」としてモーニング娘。を卒業、芸能活動も一時休業している。その後、2001年に芸能界に復帰するもヒット曲に恵まれず2003年には芸能界を引退。2009年頃にまた芸能界にカムバックしている。
こうした経歴から、市井紗耶香の参院選出馬にSPEED・今井絵理子議員を重ね、二の舞にならないか危惧する声もある。今回の出馬が、立憲民主党に単なる客寄せパンダとして担ぎ上げられただけなのではないか……ということだ。
今井絵理子議員は2016年夏の参議院議員通常選挙に自由民主党公認で比例区より立候補し、初当選。今井議員は「障害者の子を持つ母として、当事者の声を国政に」という思いで立候補したと表明している。だが、国会議員として取り組む課題は「障害を持つ子の母」という当事者の立場がダイレクトに関係するものだけではない。沖縄出身の彼女だが、当選後のインタビューで沖縄問題について問われ、「12歳で上京したので沖縄の現状は家族や友人からしか聞いていませんでした」と発言し、あっという間に支持者を失望させた。その後の今井議員の<不倫騒動>についてはもうあえてここで詳しく書く必要もないが、ともあれ今井議員の不勉強ぶりは、自民党が彼女の知名度の高さを議席獲得に利用しただけと批判されても仕方ないものだった。
ただ市井紗耶香に関して、彼女が何もしていないうちから批判するのもやはり違う。市井紗耶香は、ひょっとすると本人の思いとしては<突然の出馬>ではない可能性もあるからだ。プライベートでは4児の母で、20歳のときに出産した長女はもう中学三年生。下の子どもはまだ2歳であるという。子育てをしている中でこの社会の枠組みや制度を知り、「なんでこんな仕組みになっているの!?」と憤りを感じることは多々あるのだろう、スポーツ紙の報道によれば、市井は「子育て世代の若いお母さんたちの声を届けたい」と意気込みを周囲に話しているという。
市井紗耶香はこれまでもラジオやブログなどで、子育て中に生じる悩みや疑問については積極的に発信している様子が見てとれる。たとえば2015年12月~2016年2月にエフエム群馬で放送されたラジオ番組『市井紗耶香の Hello My FamilY!』は、専門家を迎え「結婚や出産を考えている方や子育て真っ最中の方にむけて、より楽しくハッピーな生活をすごせる方法を一緒に考えたり、自らの体験談を交えてエールを送る」番組だった。専門家たちの意見を聞き、学ぶうちに、この社会のため自分にもなにかできないかという気持ちが芽生えたとしてもおかしくはない。
また自身のブログでも度々子育てについて言及しており、2015年には幼稚園・保育園不足について触れ「知れば知るほど、行けば行くほど、子どもたちの人口に対し、園の数が圧倒的に足りない!!」「それでも受け入れるところがないと最終的にはどこかに入れるの?」「園バスもなく、自転車では通えなく片道1時間近くかけて電車で通わせているお母さん方が実際にいるっていう現実も、行政はどう考えているのでしょうか」と訴えている。15年にわたり子育てをしてきた彼女が、育児をめぐる社会の問題点をずっと観察してきたという可能性もある。
とはいえ子育て世代としての主張と、政治家としての資質はまったく別問題であり、永田町は芸能界以上に魑魅魍魎の蠢く世界だ。立憲民主党は彼女を担ぎ上げた以上、責任をもってサポートしなければならないだろう。
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