四川省地震で相次ぐSNS上のデマ・不謹慎発言を、地元公安が徹底監視!「友人とのチャットでもアウト⁉」
#中国
6月17日夜に中国・四川省宜賓(ぎひん)市でマグニチュード6.0の地震が発生してから、1週間あまりが経過した。地元政府によると、これまでに12人の死者と134人の負傷者が確認されている。
現地では今も復旧作業が続けられているが、強い余震が続いており、新たな被害も発生するなど、予断を許さない状況だ。
そんな中にあっても、SNS上では地震に関するデマや不謹慎な投稿が相次いでいる。
17日の地震の直後には、「これから数時間以内に巨大な本震が来る」というデマが流れ、被災地の住民をさらに混乱させる事態となった。デマの元をたどると、実在するメディアを名乗るアカウントが最初に投稿した一文だったが、このアカウントはそのメディアとはなんの関係もない偽物だった。
さらに、大きく傾いたビルの写真が被災地の状況として拡散されていたが、実際は昨年2月に地震が発生した台湾の花蓮で撮影された写真だった。また、夜の街を全裸で走る男性の写真が「全裸で避難する被災者」として拡散されたが、これもやはり無関係な写真であった。
四川省公安当局は、これらのデマを発信した者を取り締まるとする声明を発表している。
災害時のデマは言語道断だが、友人らと交わした会話の内容が問題視され、逮捕の危機に直面している者もいる。
ある女性が、中国版LINE「微信」(WeChat)で、「どうして地震で瀘州(被災地周辺の地名)の奴らは、みんな死ななかったんだろう。みんな死んじゃえばよかったのに」と発言。これは、友人らとのグループチャット内でのもので、完全公開の場ではなかったが、チャットの内容がスクリーンショットされたものが拡散したのだ。ネット上ではこの女性の人肉検索が行われ、顔写真も拡散させられている。
四川省公安局も「この女の言葉は被災した人々たちを侮辱しており、絶対に許すことはできない。取り締まるべきだ」という苦情が市民から多く寄せられたとして、女性を侮辱罪で逮捕する方針だという。
女性の発言は不謹慎とはいえ、友人らとのチャットの内容によって逮捕とは、やりすぎ感も否めない。被災者や現場からの必要な情報発信が萎縮する結果とならなければよいが……。
(文=青山大樹)
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