訪問ライター・清水2000の「韓国珍スポ探訪記」VOL.32
刑務所の至るところに”顔ハメ”……仁義なきインスタ映えの世界「益山矯導所セット場」
2019/06/20 21:00
#韓国珍スポ探訪記
「愛の南京錠」ならぬ「告白手錠」
隣のプレハブ建物に入ると、裁判所を再現した部屋とともに、囚人服のレンタルコーナーが。
しばらく見ていると、中学生男子はみな囚人服ではなく警察服を着用したがり、警棒をぶんぶん振り回している。中学生男子のマインドに国境はないのだと感慨を受けるのだった。
外に出て収監所へと向かう。その通路沿いに並ぶフェンスには、ずらりと手錠がかけられていた。どうやら、先ほどの「告白バス」で買える「告白手錠」とやらに愛のメッセージを書いて、ここにかければいいらしい。
フェンスや手すりに南京錠をかけて永遠の愛を誓う「愛の南京錠」というスポットは、韓国はもちろん世界各地にあるが、南京錠ではなく手錠とは……。微妙に重い。
ポップアートを思わせる囚人の模型を横目に、収監所へと入った。薄暗い独房や取調室は、さすがに迫力満点。さらに、ところどころに顔ハメ看板が登場し、強引な客引きのようにあの手この手で写真撮影を促してくる。館内にはご丁寧にもフリーWi-Fiが飛んでおり、インスタの魔の手から逃れることは不可能。
特に違和感を感じたのが、この場所に「犯罪はダメ、刑務所生活はしんどい」というメッセージ性が(刑務所の生活を伝える簡単な展示があるとはいえ)限りなくゼロに近いことだ。インスタ映えに特化した、ハッピーな世界観に包まれている。
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