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『ダースレイダー自伝 NO拘束』発売記念インタビュー【後編】

「海外アーティストはOKで、電気グルーヴはアウト⁉」ここがヘンだよレコード会社

HIPHOPは”裏側”を探す考え方

――そういった意味では、今回、ダースレイダーさんたちが立ち上がり、ソニー・ミュージックレーベルズに対して電気グルーヴの音源・映像の出荷停止、在庫回収、配信停止の撤回を求める署名活動を行い、6万人超の署名が集まったということには手応えを感じていますか?

ダースレイダー 盛り上がり自体はすごかったと思いますが、集まった署名に対するソニー側の対応は「裁判の結果を待ちます」でした(19日正午現在、動きなし)。仕方がないとは思うのですが、結局、世の中がピエール瀧を許すかどうかみたいな、なんとなくふわっとしたところに判断基準を持ってかれた気がします。もちろん、卓球さんも言及していたように、ソニーの中にも応援していた社員はいたようですが……。

――今回、電気グルーヴだったからというわけでなく、以前から薬物で逮捕されたアーティストの作品回収に対して問題意識を持っていたのでしょうか?

ダースレイダー はい。ずっと思っていたし、10年前に『リンカーン』(TBS系)などにも出ていたD.Oが逮捕され、発売直前だったアルバムが出せなかった時にも、今回とまったく同じことをブログで書いていました。「いい奴なんだけど、酔うと本当にダメなんだよ」とか、いくらでも身近にそういう例はあるわけで、薬物で逮捕された瞬間に悪人になってしまうというのは思考停止でしかない。

 HIPHOPっていうのは、「裏側、逆サイドになんかねーかな」って探す考え方なんです。何か起きた時に、「それってB面見たらどうなる?」って嗅覚的に探るほうが人生も楽しくなる。チャンネルがひとつしかないテレビをずっと見ているよりは、いろいろなチャンネルがあるほうが絶対楽しいと僕は思います。

――一方、ステレオタイプな世間的には、HIP HOPをレペゼンするダースレイダーさんが今回のように表に出ることで、「HIPHOPカルチャーと薬物は密接」といったうがった見方をされるというリスクもあるように感じます。

ダースレイダー 僕はそういう相手に対して、前提条件がなんなのかを常に聞きます。たとえばクラブが薬物と密接だと思う証拠はなんなのか? と。僕なんかはドラマの影響で、薬物取引するのは絶対暗い港の倉庫だと思っていた(笑)。でも、今は薬物がまん延しているのは、霞が関なんじゃないですか? ドラッグやるなら官僚が一番イイですよ。クラブの時代は終わった。

 薬物事案は治療が必要という前提でいっても、僕は瀧さんとか元KAT-TUNの田口淳之介クンより、明らかにこっちのほうがヤバいと思います。だって、国の仕事している人ですよ? 国の仕事って、クスリをキメないとできないくらいハードなのか? もしくは、現実逃避しないとできないものなのか? これ、どちらを想像しても怖いですよね。それに、職場の机に薬物を入れていたって、「いや、持ち物検査どうなっているの?」って話じゃないですか(笑)。クラブだって、入り口で持ち物検査していますからね。

――確かに、テレビは役人の薬物汚染の危険度については報じません。官僚が薬物で逮捕されても、第一報で終わってしまいます。

ダースレイダー 有名人はここぞとばかりに叩かれるのに、役人は有名人じゃないからワイドショーで話題にならない。それを「なんで?」ってみんなが考えたほうがいいと思う。みんな正義の味方のような顔して瀧さんや田口クンをこき下ろしてたけど、同じロジックで役人に対しも怒ってなきゃいけないはずですよね? 霞が関はどうなってるんだ⁉ って。

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