福山雅治が“正論おじさん”になっちゃったよ!? 緊張感のないクライマックス『集団左遷!!』第9話
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福山雅治主演ドラマ『集団左遷!!』(TBS系)も残すところ2話となりました。番組の最後に原作本『集団左遷』『銀行支店長』(講談社)の視聴者プレゼントの告知が行われましたが、三井銀行(現三井住友銀行)出身の作家・江波戸哲夫が執筆した原作小説の要素が『集団左遷!!』にはほとんど入ってないことにプレゼント当選者はびっくりするのではないでしょうか。綿密な伏線を張ることなく、強引にクライマックスを迎えた第9話を振り返りたいと思います。
(前回までのレビューはこちらから)
三友銀行に勤める片岡(福山雅治)は蒲田支店が廃店となり、本部へと帰還しましたが、今では三友銀行そのものの存在が危うくなっています。大型リストラを進める横山専務(三上博史)の暴走を止めるべく、片岡は裏金を受け取っていた役員たちのリストを公表するのですが、横山専務の名前だけが忽然と消えていました。土壇場で藤田頭取(市村正親)が片岡を裏切り、横山専務と手を組んだのです。
横山専務とは距離を置いている隅田常務(別所哲也)の解説によると、非主流派である藤田頭取は横山専務を命拾いさせることで、外資系ネット通販サイト「ダイバーサーチ」との提携を進めようとしているとのことです。従来の銀行とは異なる、まったく新しい多国籍企業へと生まれ変わろうとしていたのです。
記者会見が始まります。三友銀行は「ダイバーサーチ」と資本提携することを発表。さらに9,500人の行員をリストラすることも明らかになります。現場で汗水流している行員たちを冷たく切り捨てようとする横山専務のやり方に、片岡は怒り心頭です。
鮫島がとった行動が不可解すぎる
片岡のもとに、日本橋支店の副支店長となった真山(香川照之)、以前は片岡に反抗的だった滝川(神木隆之介)、さらにはスーパーマーケットに出向させられた花沢(高橋和也)ら今はなき蒲田支店のメンバーが再集結します。金融庁に影響力を持つ国会議員・島津(石丸謙二郎)との癒着が怪しまれる横山専務の弱点を旧蒲田支店チームで調べようと盛り上がります。
シリーズ前半に登場していた懐かしい顔ぶれたちとの感動の再会シーンなのですが、彼らが銀行内の不正を暴くための密談場所が普通の居酒屋やカラオケ店なのはいただけません。店員や他の客たちに密談内容が丸聞こえです。案の定、横山派の梅ちゃん(尾美としのり)に立ち聞きされてしまいます。片岡たちは伝統ある銀行を守るための、いわば“勤王の志士”なのですが、どうも緊張感がないため、ドラマのクライマックスも緊張感に欠けたまま進んでいくのでした。
それ以上に第9話で首を捻ったのは、横山派の番犬・鮫島(小手伸也)の言動です。横山専務のお陰で出向を解かれ、本部の支店統括部長にまで昇進できた梅ちゃん。そんな梅ちゃんが今でも片岡と繋がっていることに不満を覚えた鮫島は、思い切った行動に出ます。横山専務が個人的に動かしている裏金の流れをメモした秘密手帳を、なんと梅ちゃんに預けるのです。横山専務への忠誠心を試そうというものでした。
鮫島はバカなのでしょうか? それとも鮫島は切れ者の仮面を被った、大バカものでしょうか? その答えは、どこからどう見ても鮫島はやっぱり正真正銘の超大バカものだったということです。
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