『きのう何食べた?』大事にしたいのは「指輪」より「関係」……ケンジとシロさんの絆を再確認
#西島秀俊 #きのう何食べた?
本心ではイチャイチャしたいシロさん
「俺とお揃いで指輪買ってやるっつったら、どうする?」
このときのシロさんが憎たらしい。頬杖しながらニンマリと切り出す姿は、完全に確信犯。小悪魔の笑みだ。ケンジの横で上町修役のチャンカワイに「惚れてまうやろー!」と言ってほしい。
異常な倹約家、そしてセクシャリティをカムアウトしていないシロさんから「指輪を買う」と言われたことがケンジには信じられない。コンビニで買うハーゲンダッツはNGでも、指輪ならOK。大喜びするのも当然である。
アクセサリー店で指輪を選ぶのはケンジ。シロさんはそこから離れ、第三者を振る舞った。そんなシロさんに店員が声を掛ける。
「お連れ様はどちらがお好みですか? ご一緒に着ける物ですから、お連れ様の好みも多少は仰ったほうが……」
「あれ?」と驚くシロさん。付き添いのふりをしていたのに、店員にはカップルだとあっさり見抜かれていた。いつもはシロさんの気持ちを慮りイチャイチャを控えるケンジも、このときはフルスロットル。「やっぱり、こっちかなぁ?」「(イニシャルは)絶対入れる!」と、まったく遠慮しない。ほかのカップルも、どうやらこっちを気にしていなさそう。そうとわかれば、腕を組んでくるケンジにシロさんもほほえみ返す。本心では、シロさんも普通のカップルのように振る舞いたかったのだ。
大事にするのは「指輪」よりも「関係」
後日、注文の指輪を受け取ったケンジは「ありがとう。大好き!」とニッコリ。「うん」と、シロさんも笑顔で応えた。指に嵌めた指輪を見つめ、ケンジは言った。
ケンジ「大事にする。でも、指輪じゃなくて……。あっ、もちろん指輪は一生大事にするよ。けど、その……大事にするっていうのはさ。シロさん。大事にするよ。大事にする」
シロさん「うん」
ケンジのこの言葉、原作では心の声の独白だった。でも、ドラマでは2人の会話になった。「パートナーは大事にしろ」と言ったケンジ。指輪はうれしい。だけど、指輪じゃない。一番大事にしたいのは、シロさんとの関係である。
法に守られていないゲイカップルは別れないための努力が必要と訴えた8話。続く今回は、カップルの絆を再確認する内容。2人以外のゲストが登場せず、シロさんとケンジの関係性にフォーカスする回だった。
(文=寺西ジャジューカ)
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