前田敦子の「爆発」はワガママ・迷惑扱いされてきた…それでいいの?
前田敦子が、今月5日放送の『ホンマでっか!?TV』(フジテレビ系)で、「私の子どもが、私のようにいつか“爆発”する子にならないか心配」だと悩みを明かした。
前田は昨年7月に俳優の勝地涼と結婚し、今年3月には第一子の誕生を報告。子どもは現在3カ月で夜泣きや頻回授乳に悩まされる親も多い時期だが、彼女の子どもはあまり手がかからないという。しかし前田は「私もそうだったみたいなんですけど、全然泣かないんですよ」と、かえって気になっているようだ。
「小さい頃から神経質」で「すぐパニックになっちゃう性格」だったという前田は、「ピッタリした洋服を着ているだけで<イヤだー!>」「髪型が左右ちょっとずれているだけで泣いて<幼稚園に行けない>」と幼少期を振り返った。自分自身を分析した結果、「私はヤバい」と思っているのだという。
大人になった今も「ひとつ気になることがあると、スッキリするまでずっと……」「たとえば探し物があると、永遠と探して、スッキリするまでずっとやります」「あれがない、これがないってなると、ちょっとパニックになっちゃう」そうだ。
寝る前に「あれってどうなっているんだろう?」という考え事が止まらないこともあるが、「今は旦那さん(俳優の勝地涼)がいるので巻き込んでいます」「起こして一緒に探してもらう」そうで、勝地は翌日に撮影があっても探すのを手伝い、見つかると「<あったでしょ。だからそうならなくても大丈夫だよ。落ち着いてね>っていう怒り方をしてくれる」とのことだ。ちなみに前田が“爆発”するのはあくまでも「自分のことに対して」だけで、仕事や周囲の人に対しては「ならない」と話していた。
前田敦子といえば、先日、5月23日発売の『週刊文春』(文藝春秋)で、夫・勝地涼との“修羅場”じみた様子が写真で伝えられたばかり。記事によると5月某日、子どもを抱いた勝地が前田を乗せた車椅子を押して歩いていたところ、前田はいきなり車椅子から立ち上がり、足を引きずりながら走り、歩道に倒れ込み、勝地を睨みつけていたという。前田が怒っていた理由については不明だ。
振り返れば、前田敦子は“不動のセンター”だったAKB48時代にも、コンサート中に何度か過呼吸に見舞われている。ドキュメンタリー番組『情熱大陸』(TBS系)ではネガティブな発言を繰り返し、番組スタッフの質問に黙り込む一幕も見受けられた。こうした番組での印象は、確かに神経質な性格をうかがわせるものだった。
そういった面を持つ前田に対して、 “ワガママ”“情緒不安定”“面倒くさい”など、いわゆる“困った人”という報道も多い。上述した『ホンマでっか!?TV』のトーク内容を受けて、<前田敦子はヤバい><勝地涼がかわいそう><離婚しそう>といった視聴者の感想、およびそれをもとにしたネットニュースが乱立した。
しかし前田敦子を「情緒不安定で面倒くさくワガママな性格」と見立てるのも、なんだか違和感がある。『ホンマでっか!?TV』で彼女が話していた内容からは、周囲が彼女に振り回されて困っているという以上に、彼女自身が本当に困っているように思えたからだ。
面倒扱いされる人こそ「困っている」
人よりも敏感だったり感受性が豊かだったりすることは、生まれ持った特性であることが、最近になってわかってきている。そうした特性を持つ子どもは「ハイリー・センシティブ・チャイルド(HSC)」、大人は「ハイリー・センシティブ・パーソン(HSP)」と呼ばれる。
HSC・HSPには、「深く考える」「雰囲気や人の感情に敏感」「共感力が高い」「過剰に刺激を受けやすい」といった傾向があり、5人に1人が該当するという調査結果もある。なお、HSC・HSPは“気質”であり病気ではない。つまり必要なのは治療や矯正ではなく、付き合う側である周囲が“知ること”だ。
HSC・HSPの行動は、親や周囲の人に「困った子ども」「面倒な人」という印象を与えるかもしれない。けれども、その特徴ゆえに一番困っているのは本人だろう。周囲はワガママや甘えなどと冷たくあしらったり、厳しく接したりするのではなく、何より本人が困っていることを理解することが肝要だ。そうすることでコミュニケーションの摩擦が起きづらくなるかもしれない。
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