本当の気持ちに気づいた二人の心の行方は?――ドラマ『パーフェクトワールド』第8話
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東日本大震災の時、私は東京にいた。ビルの6階にあった事務所で、今まで経験したこともないような揺れを感じ、机の下にもぐりこみながら「これはヤバイかも」と思っていた。
都内の電車はすべて止まり、道には人と車が溢れていた。親戚や知り合いと連絡を取りながら、30kmほど離れたところにある自宅まで、都内を歩いた。幸い、私自身や近い身内は大きな被害を受けずに済んだのだが、あの日の経験は、忘れることが出来ない記憶となって残り、その後の生き方にも影響したと思っている。
ドラマ『パーフェクトワールド』(フジテレビ系)第8話は、そんな地震によるアクシデントから始まった。
地震によって気づく本当の思い
樹(松坂桃李)とつぐみ(山本美月)が、仕事で松本へ戻っていた時、長野県地域を地震が襲う。実家にいたつぐみは、樹のことが心配になり連絡を取ろうとするが、電話は繋がらず、行き先もわからない。まずは行きそうなところを探そうと、家を飛び出す。
その頃樹は、震源地近くのモデルルームで、倒れてきた木材の下敷きになっていた。人を呼んでも誰もおらず、圏外で電波も繋がらない。排尿ができない状況のため、尿毒症、さらには命の危険にまでさらされていた。薄れゆく意識の中で、樹はつぐみとの日々を思い出す。極限の状態で心の中に浮かんだ人。樹は改めて、つぐみが自分にとってどれほど大切な存在か気づいたことだろう。
東京では、地震を知ったつぐみの婚約者・是枝(瀬戸康史)と、樹のヘルパー・長沢(中村ゆり)が、合流して松本に向かうことになる。
松本で、樹の救出に向かったつぐみは、なんとか場所を突き止め、樹を救い出すことに成功する。「無事でよかった」と涙を流すつぐみを、樹は思わず抱きしめるのだった。
無事に救い出された樹だが、道が通行止めになっているため家に帰ることはできず、やむなく避難所に泊まることとなる。しかも、避難所でも場所が空いていないということで、スタッフの車の中で一夜を過ごすことになるのだ。
樹に付き添うつぐみ。樹は、「このまま死ぬのかもと思った時、つぐみのことを思い出した」と告白する。それを聞いてつぐみは涙を流す。「樹と別れ、是枝と結婚するという自分の決断は間違っていなかったのか」そんな思いに苛まれていたのかもしれない。
翌朝、助けに来た是枝と長沢が避難所にやってくる。つぐみは是枝と、樹は長沢と抱きしめ合う。そんな姿を、それぞれがそれぞれの思いを抱いて見ている。
もし、愛情の深さを数値化できるとしたなら、それぞれの思いは、どんな大きさになっているのだろう。樹のことを思う長沢とつぐみ。そして、つぐみを思う樹と是枝。誰の気持ちが一番大きいのか。現実にそんなことはないのだけれど、より強い愛情を持っている人が、幸せになってほしいと考えてしまう。
是枝に昨夜のことを聞かれたつぐみは、車の中ではなく避難所で休んだと嘘をつく。樹はそれを聞いて、つぐみとの間にまた新たな秘密を持ってしまったことを感じる。そして、是枝は、ふとしたことから、つぐみが一緒に車の中にいたことを知ってしまう。
愛情、嫉妬、疑念、迷い。そんな気持ちを抱いたまま、是枝はつぐみとの結婚の準備を進める。
一方、東京に戻った樹は、今まで以上にバリバリと仕事をこなしていた。そして、松本の案件は、後輩の沢田(池岡亮介)に引き継ぐことにした。つぐみとは、次の地鎮祭で会うのが、最後になる。
地鎮祭を終え、東京に戻る車中、樹はふいに車を降り、つぐみの元に引き返す。つぐみも樹の元に向かう。改めて再会した二人は、しっかりと向き合い、気持ちを口にする――。
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