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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > 山里亮太とは何者か?
テレビウォッチャー・飲用てれびの「テレビ日記」

「山里亮太とは何者か」という問いに、修正され続ける「答え」 

「早押し問題です。次のイントロを聞いてお答えください」

 クイズ番組といえば、毎回放送を楽しみにしているのが『超逆境クイズバトル!! 99人の壁』(フジテレビ系)だ。久しくゴールデンタイムでのレギュラー放送がなかった、視聴者参加型のクイズ番組である。

 番組の流れはシンプルだ。100人の出演者の中から挑戦権を獲得した1人が、自分が得意とするジャンルのクイズに挑戦。5つのステージをクリアし、100万円獲得を目指す。その際、ライバルとなるのは自分以外の99人である。

 しかし、そのシンプルな設定の中で、数々のドラマが生まれる。自分の好きなものについて、目を輝かせながら語る人たち。進行役の佐藤二朗との掛け合いの中で生まれる、「叶くん」のような番組内スター。分野によっては子どもでも早押しで正解し、挑戦者を打ち負かしてしまう展開。「算数」「信号機」「路線図」「表記校正」など、どんな問題が出るのか謎なものを含む多種多様なクイズのジャンル。ジャッジに不備があった際は即座にクイズ作家らが審議し、場合によっては正解が覆る「QAR(クイズ・アシスタント・レフェリー)」システムも、フェアさとエンタメ性を両立させる仕組みとして番組を盛り上げている。

 で、そんな『99人の壁』の8日の放送で、「歴史的」といって過言ではない出来事が起きた。挑戦者は17歳、ジャンルは「略語」である。エアコン、リモコン、パソコン、ツアコン、ボディコン、それぞれの「コン」はなんという言葉の略語か。「高校」「図工」「教科書」「切手」「軍手」「空母」「経済」といった略語の正式名はそれぞれ何か。そんな問題を挑戦者が軽々とクリアして迎えた4問目、次のように問題が読み上げられた。

「早押し問題です。次のイントロを聞いてお答えください、というときの『イントロ』とは、なんという言葉の略?」

 しびれる問いである。別室で様子を見守っていた伊集院光もうなる。

「すごい問題。やっぱクイズマニアとしては、このトリッキーな問題はちょっと震えきたね。今の問題出たら、絶対音楽待っちゃうって」

 通常、「次のイントロを聞いてお答えください」の部分は問いの導入部、それこそクイズの「イントロ」である。いつもなら聞き流す、本題とは関係ないと思ってしまうところだ。しかし、問いのようで問いでないそこが実は、この問いで欠かせない重要な箇所だったという鮮やかさ。過去に出題されたすべてのイントロクイズが、この1問のための伏線であったかのようだ。

 クイズ番組ではこれまで、数えきれないほどの問題が読まれてきた。しかし、そこにもまだ発見がある。新たなクイズ、新たな問いを作るために問いかけを続ける番組に、敬服。

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