宮下草薙、どこにも馴染めない2人がたどり着いた「ネガティブ漫才」という王道
#お笑い #インタビュー #宮下草薙
「草薙がかわいい」は予想していなかった展開
――宮下さんは、仲のいい芸人さんと飲みに行ったりするんですか?
宮下 僕は飲みがまぁ苦手なので。唯一芸人の中でLINE知ってるのはトム・ブラウンの布川さんぐらい。
――そこは何きっかけで?
宮下 ライブで一緒になることが多くて、そこでお話しするようになって。すごい話しやすい人で、本当にふざけてくるんですよ。ちゃんとこっちがタメ口でツッコめるような空気を作ってくれる。
草薙 お前、普段は『遊戯王』しかやってないから。
宮下 なんか芸人に素性を知られたくないんですよ。口軽いやつしかいないんで。あいつあんなこと言ってた、こんなことやってた、ってすぐ言うんですよ。
草薙 芸人が嫌いなんですよ。
――売れてる先輩と飲みにいって仲良くなってテレビに出る、みたいなことは考えないですか?
宮下 そんなことで仕事ってもらえるんですかね? 知ってたら行きますけど。「仕事をもらえる飲み会だよ」って言われたら、頑張って行くんですけど……。俺たち合コンも行かないし、浮いたウワサひとつない、珍しいコンビだなぁって思います。
――しかし、ネットで「草薙さんかわいい」っておっしゃってる方多いんですよ。
草薙 これ大丈夫かな……教えちゃって。
宮下 いいよ、全然。
草薙 俺好きなやつ……変なんですよ。
宮下 確かにな。
草薙 だって女の人どころか、お客さんが来たことなくて、ライブに。ノルマ制のライブは、場当たり終わってから変装してお客さんの列並んで「宮下草薙で2枚ください」って。
宮下 そうそう、お客さんのフリして。
草薙 自分たちでチケット買ってた。今はそれしなくていいのはありがたいですが、かわいくはない。
――ネガティブ漫才という、ネタの方向性が認知されてきて。これからもそのやり方で行くのか、それとも変えようと思っていますか?
宮下 できるところまでやりたいですよね。このネガティブな想像はすごい面白いし。でも、売れてない時期は「今度バイトしようかと思ってるんだけど」みたいな形は成立しやすいけど、だんだんそれはできづらくなってくる。
草薙 ネガティブに作ってるつもりは……ないんですけどね。
宮下 結構ウケてるんだから、ある程度自覚はあると思うんですけどね。さすがにこれだけやってたら。
草薙 なんの自覚?
宮下 いや、ネガティブな自分ウケてんなぁって。
草薙 だって、作ったネタの原稿全部送るんで。で、こいつが「これ残しで、これ消して」みたいなことやる。それは全然変わんないですけどね。
――本当、編集者みたいですよね。
草薙 ちゃんとやってんのかな、あれ。すごい速いんですよ、選ぶのが。
――敏腕編集者は、パッと見ればすぐわかるらしいですよ。
宮下 そうですね(ニヤリ)。
(取材・文=西澤千央)
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