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日刊サイゾー トップ > エンタメ > ドラマ  > 「まちがい」が重なり合う『パフェ』7話

二人の関係に名前をつけて縛りつけるのはもうやめよう――ドラマ『パーフェクトワールド』第7話

「かたおもい」が紡ぐ色とりどりの景色――ドラマ『パーフェクトワールド』第6話の画像1
フジテレビ系『パーフェクトワールド』ドラマ公式サイトより

(これまでのレビューはこちらから)

 私の知り合いに、女友達がやたらと多い男がいる。出会いのきっかけはさまざまのようだが、その中にはかつて付き合っていた女性――いわゆる「元カノ」も結構含まれているらしい。

 正直、私にはそれが理解できない。人の性格によるのかもしれないが、一度恋人関係になって別れた後、何の気まずさもなしに友人関係になれるわけがないのではないかと思ってしまうのだ。

 ドラマ『パーフェクトワールド』(フジテレビ系)第7話。恋人としての関係を終わらせ、もう連絡は取らないと思っていた樹(松坂桃李)とつぐみ(山本美月)が、仕事のために再会する。そこには、お互いの思いを果たせなかった後ろめたさや、くすぶり続ける相手への恋心など、複雑な感情があった。

 

再び会うことになった二人

 地元の松本に戻り、インテリアコーディネーターとして働いていたつぐみは、そこで、車椅子生活になる妻のために家を建てたいというシェフ・高木(山中崇)と出会う。樹に設計をお願いしたいという高木のために、つぐみは、樹の事務所を訪ね、直談判するのだった。

 つぐみの説得もあり、松本に行って話を聞くことにした樹だったが、高木の妻・楓(紺野まひる)は家を建てることに難色を示す。実は、高木はシェフとして自分の店を持つことを夢見ており、そのために貯めたお金で家を建てようとしていたのだ。そんな二人のために、樹が提案したのは、店舗としても使える家だった。高木たちは喜び、つぐみと樹も、前向きに段取りを進めることとなった。

 一方、幼馴染みの是枝(瀬戸康史)とつぐみの関係も変化していた。結婚に向け、前向きに動き始めたのだ。つぐみの両親に挨拶に行き、結婚式場も探し始める。

 そんな時、樹のヘルパー・長沢(中村ゆり)がつぐみの元を訪ねてくる。そして、「樹と付き合い始めた」と話すのだ。それを聞いてつぐみは、気持ちにけじめがつく。高校時代に自身が描き、樹に「もう一度見てみたい」と言われていた絵を捨てようとする。これは、樹を好きになった高校時代の自分と決別するということだろう。

 それぞれにパートナーができたと思った二人は、お互いに新しい道を見つけ、前を向いて歩いていくことになる。つぐみと樹は、“仕事仲間”として、新しい関係を築きつつあった。

 しかし、「樹と付き合い始めた」というのは、長沢が、つぐみの心が樹に戻ることを恐れてついた噓である。相変わらず、長沢の樹への想いは、深く、そして鋭い。では、一方の樹は、長沢のことをどう思っているのだろう? 

 長沢が自分のことを好きだというのは知っている、その上で、ドッグランに誘ったり、料理をごちそうしたりする。長沢がつぐみに噓を言ったことを告白した時も、彼女をなだめ、そっと背中をなでてあげたりもする。正直、ドラマを見ていて一番読めないのは、この樹の気持ちなのである。

 ヘルパーとして頼りにしているのはわかる。ただ、自分への想いを断つために別の人と結婚したり、つぐみとの仲に激しく嫉妬したりする長沢は、少し極端すぎないだろうか。もし、長沢に特別な感情を持っていないのなら、樹は意識して、もう少し距離をとってもいいように思う。

 ただ、長沢と樹の関係以外にも、是枝とつぐみの関係、樹とつぐみの関係も、傍から見たらわかりにくいものかもしれない。それぞれに過ごしてきた歴史があり、思い出があるからだ。「ヘルパーと患者」「婚約者」「元・恋人」名前はいくらでもつけられる。でも、それは多分、あまり意味のないことだ。当人たちには当人たちにしかわからない関係がある。無理に関係を決め、型にはめようとするのは間違っているのかもしれない。

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