“キングオブアウトロー”瓜田純士に聞く!「刃物を持った暴漢に出くわしたら、どうすればいいの!?」
#インタビュー #瓜田純士
暴漢から身を守る“秘策”って……!?
――でも名古屋の事件では、何人かの外国人とおぼしき女性が、「やめて!」と犯人に声をかけに行ったらしく、「女は度胸があるのに、男は情けない」という声も上がっています。
瓜田 確かに勇気はありますけど、それで巻き添えを食って死んだら元も子もないじゃないですか。それに名古屋の一件は、「女性だから止めに行けた」という部分もあると思います。無差別な通り魔ではなく、明らかなケンカですから、止めに行った女性も「自分が刺される」とは思っていなかったはず。それに止められた男も、女性には手を出す可能性が低いです。女性から力づくで制圧されることはないとわかりますから。
しかし、男性が止めに行ったらどうなっていたか。犯人は制圧されるかもしれない恐れから、逆上して、止めに来た男性を刺したかもしれない。飲み屋のケンカだってそうでしょう。ママが止めると事態が沈静化するのに、男性客が止めると余計に事態がこじれがちじゃないですか。
ですから、ああいうヤカラ対ヤカラのケンカ現場を目撃したら、まずは自分の身の安全を確保してから、110番するのが一番です。電車のホームから人が転落した場合も、闇雲に助けに行くと被害が拡大する恐れがあるから、まずは勇気を出して非常停止ボタンを押すのが先。それと一緒です。
――腕に覚えのある人はどう振る舞うべきでしょうか? ちなみにプロ格闘家の那須川天心選手は川崎殺傷事件を受け、「刃物を持った人と遭遇した時に助けに行けるかと言われても行けないと思う。まだそんな勇気ないし、力もない」と苦しい胸の内を明かしました。
瓜田 グレイシー柔術の教えを知っていますか? 一応は刃物に対する護身術を教えるそうです。ただ、「一番肝心なのは自分の安全を確保して逃げることだ」とも教えるらしいんですよ。プロの格闘家だろうが、刃物は怖い。それは当たり前の話ですよ。
――となると、「犯人のやりたい放題」ということになってしまいますね。
瓜田 いや、そうとも限りません。万人にはおすすめしませんが、僕なりに秘策を考えました。身近な“ある道具”を上手く使えば、犯人を戦意喪失させられると思うんですよ。
――その道具とは?
瓜田 消火器です。近くの適当なビルやマンションに入れば、消火器があるはず。こいつを犯人の顔に噴射すれば、目が開かなくなり、動きが止まります。犯人がひるんでいる数分の間に、近くの通行人は逃げることができますし、拳銃を持った警察官も到着するでしょう。
人間、刃物を握っているときは、手に神経が集中します。つまり、顔はガラ空きなので、消火器の不意打ちを避けることはできない。消火器のいいところは、周囲や犯人を傷つけることなく、そして犯人に触れることなく、事態をしばし沈静化できる点ですね。
――咄嗟の場面で使えるよう、「安全ピンを抜いてから、レバーを握って噴射する」という消火器の使い方を、今一度頭に叩き込んでおくとよいかもしれませんね。
瓜田 本当は消火器だけじゃなく、刺又(2~3メートルの棒の先にU字形の金具が付いている防犯グッズ)も街のあちこちに設置されるようになるといいんですけどね。消火器でひるんだ犯人を、壁に押し込めることができますから。
――行政が新たに行うべき防犯対策はありますかね?
瓜田 凶器になり得る包丁なんかはライセンス制にして、警察の許可がないと買えなくしてほしいですね。料理人なら、店の料理長や責任者が警察署に届け出てから買う。そして、主婦が使う包丁は先を丸く改良するべきです。
――それでは最後に総括をお願いします。
瓜田 繰り返しになりますが、刃物を持った暴漢を見かけたら、まずは自らの安全を確保してから110番を。そして、仮に腕に覚えがあっても、素手では立ち向かわないこと。一番いけないのは正面から両肩を押さえ込む行為です。ブスッとやられちゃいますから。どうしても止めたくなったら、消火器を顔面に噴射するか、背後から複数人で押さえ込む。その際、時間的に余裕があったら、腹にヤンジャンかなんかを仕込んでおくといいです。これは僕がケンカのときに実際やっていたことなんですが、お腹に雑誌を入れておくと、刃物が貫通しにくくなるんですよ。
――本当はこういう事件が減るのが一番なんですけどね。
瓜田 しばらくは要注意です。平成から令和に時代が変わり、トランプが来日し、東京五輪に向けて“クリーンな日本”というイメージづくりが加速する一方、その流れに乗れない人たちもいる。川崎や埼玉の事件を見て思ったのは、時代から落ちこぼれてしまった人たちの“負のパワー”が、ここにきて一気に噴出しているな、ということ。連鎖反応的に似たような事件が起きる可能性もありますから、街に出る際は四方八方に目を光らせましょう。そして、君子危うきに近寄らずです。
(取材・文=岡林敬太/撮影=おひよ)
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※「“キング・オブ・アウトロー”瓜田純士、かく語りき」の記事一覧
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