岡田准一、『白い巨塔』全話で2ケタ超えに残る疑問符……本当に成功だったのか?
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テレビ朝日開局60周年記念として、22日から26日まで、5夜連続で放送されたスペシャルドラマ『白い巨塔』(V6・岡田准一主演)は、5話すべてで2ケタ超えを果たし、高視聴率で終えたが、本当に成功だったのだろうか?
各回の視聴率は第1夜(22日)が12.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)、第2夜(23日)が11.8%、第3夜(24日)が12.2%、第4夜(25日)が13.5%、第5夜(26日)が15.2%。数字だけ見れば、終盤でグングン上げて、有終の美を飾った格好だ。
同作は1963年に故山崎豊子氏が発表した小説が原作で、がん手術の天才で自尊心が高く野心家の外科医・財前五郎を主人公に、大学病院という組織の中で繰り広げられる権力争いや腐敗を通じ、命の尊厳とは何かを問いかけた伝説の作品。
66年に故田宮二郎さん主演で映画化され、67年にNET(現テレ朝)系で、故佐藤慶さんが主演を務めて初めてドラマ化。その後、78年にフジテレビ系(故田宮さん主演)、90年にテレ朝系(村上弘明主演)、2003年にフジ系(唐沢寿明主演)と計4回ドラマ化されたが、中高年層にとっては、やはり故田宮さんの作品が強く印象に残っていることだろう。
今回、16年ぶりにドラマ化され、主人公の財前役に岡田が、そのライバルで同期の里見修二医師役に松山ケンイチが、財前の愛人・花森ケイ子役には沢尻エリカが起用された。
唐沢が主演した03年の作品は、平均23.9%をマークする大ヒットとなったが、当時とはテレビを取り巻く視聴環境も異なり、今作と一様に視聴率を比べるのはナンセンスで、全話で2ケタに乗せたのは上々だ。
しかし、必ずしも成功とはいえない側面もある。『白い巨塔』放送のため、水曜の『特捜9』、木曜の『緊急取調室』といった人気ドラマが休止となった。前週、23日の『特捜9』は12.7%、24日の『緊急取調室』は12.3%を記録しており、『白い巨塔』は水木曜の通常番組より、結果的に数字を落とした。両ドラマのファンからは、「なんで放送が休みなんだ!」との抗議が、テレ朝に寄せられたというだけに、手放しでは喜べない事態となった。
「不朽の名作とは言え、最後のドラマ化から、16年も経過しており、“今さら”感は否めませんでしたが、『白い巨塔』というブランドで2ケタ視聴率が取れたとの印象。田宮版や唐沢版と比べたら、物足りなかったとの声も多数聞かれますし、『名作を汚した』といった意見もあります」(テレビ誌関係者)
視聴率的には及第点といえる、岡田版『白い巨塔』だが、本当に「名作を汚した」のなら、テレ朝も罪深いことをしてくれたものだ。
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