「歴史で大切なのは解釈」「売れることが一番大事」日本を席巻する『日本国紀』“百田尚樹現象”の裏に何が!?
#週刊誌 #元木昌彦 #週刊誌スクープ大賞
百田尚樹「売れることが一番大事」
インタビューで日本国境を書いたことについて百田はこう答えている。
「そうですね、学術的なものではないです。僕が日本という国の物語を面白く書いた、という本です。民族には物語が必要です。日本には素晴らしい物語があるのに、これまで誰も語ってこなかった。歴史的事実を淡々と書いたところで、それは箇条書きと同じです。
僕は歴史で大切なのは解釈だと思っています。事実は曲げられませんから、事実に基づき、史料と史料の間を想像力で埋めて書いたのが、僕の解釈による通史です。日本の歴史をこうあるべき、なんて思うことはないですね。
南京大虐殺はなかったなどと、安倍首相でも認めていることまで百田は否定する。歴史修正主義者ではないのかと聞かれ、
「僕は歴史修正主義者でもなんでもありませんよ。それまで事実をねじ曲げてきたことが歴史修正であり、私は『日本国紀』で普通の歴史的事実を書いています。南京大虐殺があった、日本軍の強制による従軍慰安婦がいた、というほうが『歴史修正』だと思いますよ。それらに物的証拠、史料的証拠はありますか?」
この男にとって事実かどうかよりも売れることが一番大事なのだ。
「売れることが一番大事。そのためにやっています。売れなくてもいいならブログに書いていたらいい。僕の本で、編集者、製本会社、書店、営業……。多くの人がご飯を食べているんです。売れなくてもいいから本を出そうとは思いません」
またこうもいう。
「僕は小説家なので、政治について何かを書いて、お金をもらうという意識はありませんでした。でも、言えるツールを見つけましたね。それがツイッターです。ツイッターなら原稿料ももらっていませんから、自分の好きなことがいえます」
最後に、あなたは論客なのかといわれて、
「論客じゃないです。小説家です」
この男にとって、面白いこと、売れることが何にもまして重要で、間違いやコピペなど大したことではないのだ。
『日本国紀』も面白ければ間違いなどあったっていい。見城社長にとっては売れる作品がいい作品で、売れなければ内容がよくてもクソなのだ。
売れなくてもいい作品を出したい。そう思っている出版人はごくごく少数である。多くの出版社や編集者は、売れてナンボと思っている。彼らの“本音”であることは間違いない。だが、当事者が「それをいっちゃお終い」だということ百も承知である。
【巻末付録】
まずはポストから。いつもながらいきなり過激ヌード。「なをん/100万人の恋人*森咲智美-おっぱい女王と温泉逃避行」
後半は、「ご当地麺をビキニで食レポ!-地方出身グラドル8人がふるさとの味を紹介」
「伊藤蘭、秘蔵フォト特別公開-歌手・ランちゃんにまた会える!」「乳<NEW>スター誕生-☆HOSHIN」
袋とじは「令和元年のアンダーヘア大研究-秘密の花園潜入」。おいおい、ここまでやって大丈夫なのかよ。ヘアが大写しになっている。これは思い切ったことをやったものだ。もうどうともなれという捨て鉢な気分でやったのだろうか。近来まれな迫力のあるヘア・ヌードではある。
現代は巻頭で「フジテレビアナウンサー・三田友梨佳-ミタパン初めての撮り下ろしグラビア」。なかなかかわいい子だ。
「レースクイーンを巡る大冒険-みんなここから大きくなった」「なぜ、彼女は見せたがるのか-美女たちの心理探究」「小瀬田麻由、感動!生ヒップ!-いま話題のCM美女」
袋とじは「物語のあるSEXをあなたに/街歩き講座で先生と生徒が……」
今週はポストの圧勝というより、何か、自滅してもいいという凄い迫力を感じてならないのだが。(文中敬称略)
ここでこの欄を借りて、【告知】をさせていただきたい。
【5月の「ノンフィクションの醍醐味」のご案内】
今回は私、元木昌彦が講師をします。
テーマは新連載「平成挽歌―いち編集者の懺悔録」記念講演。
(『平成挽歌―いち編集者の懺悔録』〈株式会社データ・マックス〉)
開催日時は
5月31日、金曜日、午後7時から9時まで
カフェ・ミヤマ 高田馬場駅前店2号室(03-5292-5772)
東京都新宿区高田馬場2-17-4 菊月ビル地下1階
(地下鉄高田馬場駅から濡れずに行けます)
「ゼロメガでとってあります」
レギュラー以外の参加者はコーヒー・会場代1,000円お支払いください。
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