岡田准一 vs 福山雅治の視聴率バトルの結果は? 片岡支店長が運命の日を迎えた『集団左遷!!』第6話
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本当に「これでいいのだ~♪」なのか
スパイ行為がバレたことからスーパーへ出向になった花沢(高橋和也)や片岡支店長の妻・かおり(八木亜希子)たちからの援護射撃があったものの、横山常務(三上博史)が決めた期限までには99億円しか用意できませんでした。本部から帰ってきた片岡支店長の口から、蒲田支店の今後について説明されます。
本部の決定は、蒲田支店は約束どおり廃店。でも、支店員たちはみんな首都圏の支店へ銀行員として異動。真山副支店長(香川照之)は日本橋の副支店長、そして片岡支店長は本部の融資部へ……。みんなバラバラになるけれど、万々歳のフィナーレとなったのでした。
蒲田支店の行員たちは自分たちがリストラや出向扱いにならず、銀行員のままでいられることに歓び浮かれまくります。でも、果たしてこれでいいのでしょうか。蒲田支店がなくなると困ると、地元の人たちがなけなしのお金を蒲田支店に預けることで、彼らは窮地を救われたはずです。ブタの貯金箱を持ってきた少年は、蒲田支店の閉鎖を知ってどう思うのでしょうか。
片岡支店長は「銀行員としてのプライド」と常に口にしますが、そんな彼らにお金を託した地元の人たちの気持ちは軽んじられているように感じます。福山雅治主演ドラマ『集団左遷!!』にずっと付きまとっている違和感の正体は、これではないでしょうか。金融ドラマを軽快に描くことばかりに意識が向き、お金のやりとりをとても軽んじて描いているようにしか映りません。
お金よりも大事なものがあると言いたいのかもしれませんが、このドラマはお金の重みがまるでないので、大事なものの重みもまったく伝わってこないままです。いつも冷静な真山副支店長ですが、病気の妻(西田尚美)の治療費のために実は真山家の家計は火の車だとかの描写があれば分かりやすいのですが、そういった背景は完全にスルーされています。本部への復帰が決まった片岡支店長は心の中で「これでいいのだ~♪」と『天才バカボン』の主題歌を口ずさんでいるかもしれませんが、本当にこれでいいんでしょうか。
岡田准一版『白い巨塔』最終話と激突!
さて、岡田准一主演ドラマ『白い巨塔』(テレビ朝日系)の最終話と被った『集団左遷!!』第6話の気になる数字は? 『集団左遷!!』第6話の視聴率は、7.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)と同番組上ワーストとなってしまいました。初回13.8%のお陰で辛うじて平均視聴率10%台をキープしていましたが、ついに底が割れてしまいました。一方、岡田准一演じる財前教授が医療告発された『白い巨塔』最終話は15.2%。山崎豊子原作の重厚な社会派ドラマに完負けした結果となりました。
視聴率の低下に加え、気になるのは今回で連続ドラマとして完結してしまった『集団左遷!!』をまだ続ける意味があるのかという疑問です。これで最終回だと思った視聴者もいるのではないでしょうか。無理に1クール10話というフォーマットに縛られなくてもいいように思います。次週からは原作小説とは関係のない、ほぼオリジナルエピソードが展開される模様です。
ここまで来たら、脚本家もディレクターも視聴率を気にせず自由にやってください。でも、できれば残りの話数で、脚本家やディレクターたちには「ドラマ製作者としてのプライド」を感じさせるクライマックスにしてほしいと思います。
(文=長野辰次)
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