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日刊サイゾー トップ > インタビュー  > 岩井ジョニ男インタビュー!
『幻の哀愁おじさん』発売記念インタビュー

岩井ジョニ男、コスプレだった“おじさん”が本当の“おじさん”になった日

勝ち負けが嫌いで麻雀を覚えなかった

”千葉の土佐犬”ことジョニ男氏

――誰かに勝とうとか、あまり思わないですか?

ジョニ男 そうなんです。なんか戦ってね……『爆笑オンエアバトル』(NHK)とか、勝っても負けてもやっぱり嫌だったなと思って。でも、それじゃダメじゃないですか。だから自分の性格をよくよく見直したけど、やっぱり「よっしゃぁ」みたいな気持ちになれないんですよね。それを最初に感じたのは高校生の時。麻雀に誘われたんです。負けたらジュースおごるとか、そんくらいのやつですけど、やっぱり友達からね、お金をとったりするっていうことがすごい嫌だなと思っちゃった。どっちにしても気分悪いなっていうのが、その後の関係性にも響くじゃないですか。それで麻雀覚えなかったんです。

――ああでも、すごくわかります。

ジョニ男 比較的、浅井企画の人はやらないんですよ。見栄晴さんぐらいじゃないですか?

――見栄晴さんは、それお仕事にされてますし(笑)。

ジョニ男 そうでした。本物のギャンブラーでした。

――浅井企画には、今回の企画趣旨である「愛されるおじさん」が、たくさんいらっしゃる感じがします。

ジョニ男 「愛されるおじさん」かぁ。あまりそういうことは考えたことないですけど。でも……自分は、人が好きなんですよ。それはもう年齢関係なく。あと、すっごい年下でも、尊敬してたらおのずと「さん付け」になってますね。流れ星も「ちゅうえいさん」って呼んでるし。

――芸人さんの世界は上下関係が厳しそうですが、ご自身の中にあんまりそういう感情はない?

ジョニ男 それ、面白くないですもんね。

――ああ。

ジョニ男 自分も面白くなくなっちゃう。後輩たちも最初は「ジョニ男さん」って言ってくれるけど、途中から「おっちゃん」「おっちゃん」って言い始めるんです。まぁ、それが一番いいなっていう。結構若い頃から「おじさん」「おじさん」って言われてたんで、最近やっとそれに年齢が追いついてきて……まぁ40~50ですけど、一応年齢は非公表なんで(笑)。最近「思ったより若いですね」みたいなことを言われるようになったのもあるし。やっと本当のおじさんになれたんだなーって。

――ちょっと樹木希林さんみたいな感じですよね。

ジョニ男 ああ……希林さん、まさに。

――若い頃から、おばあちゃん役をやっていた。

ジョニ男 『寺内貫太郎一家』とか。自分は、昔から「おじさん」的なものが好きだったんです。ゴルフとか将棋とか、まぁお酒も好きだし、今もうやめちゃったんですけどタバコも吸ってましたし。オヤジがタバコケースからタバコを取り出して、それをね、縁側でこうやって吸ってるんですよ。それを見てね、なんかずいぶんおいしそうだなぁと思って。まぁ子どもながらに好奇心でちょっとやってみたら「うぇぇマズイ」。でも、おじさんになったらきっとああいうのがわかるんだなぁって思った。そしてやっと今、そういうものが、フキの味がわかってきましたよ。

――本当に小さい頃から憧れていたんですね、おじさんに。

ジョニ男 憧れていましたね。おじさんがお笑いをやってるんだと思ってたんですよ。ドリフもそうですけど、漫才だと瀬戸てんやわんやさんとかね、団しん也さんとか、みんなスーツでやってた。いま思えば皆さん30ぐらいだったと思うんですけど、ものすごいおじさんに見えて。

――確かに昔の動画を観たりすると「え、この人まだ25?」みたいな感じ……八代亜紀さんとか。

ジョニ男 いや、八代亜紀さんは本当貫禄ありましたよね。あの歌を、あの若さで歌ってたんです。「お酒はぬるめの燗がいい」なんてわかりませんよ、20代には。

――20代なんてカルアミルクとかじゃないですか。

ジョニ男 そうです。今になってやっと夏でも燗飲むっていうね、わかってきました。冷房が強くて燗酒飲むという。

――方向によっては冷風が直撃してきますしね。

ジョニ男 そうなんですよ。まぁ、みんな貫禄あっておじさんだった……いや、おじさんに見えた。三船敏郎さんとかハンフリー・ボガートとか。あっという間に時代も変わってね。30で若いっていう、今は。

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