『きのう何食べた?』役者バカによる演技合戦が勃発! ベテラン3人に肩を並べる磯村勇斗恐るべし
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5月17日深夜に放送された『きのう何食べた?』(テレビ東京系)。前回のレビューを書いた時点で、今回の第7話の展開にはすでに期待を寄せていた。筧史朗(西島秀俊、以下「シロさん」)、矢吹賢二(内野聖陽、以下「ケンジ」)、小日向大策(山本耕史、以下「小日向さん」)、井上航(磯村勇斗、以下「ジルベール」)が顔をそろえる会食についてである。すなわち、西島、内野、山本、磯村という4人の役者バカが繰り広げる演技合戦を楽しみにしていたのだ。
中でも、第6話で初登場したばかりのジルベールには注目していた。ケンジから2種の入浴剤をプレゼントされると「えーっ、どうしよう!」と迷い、小日向さんに「ワタル君はベリー系だよね」と促されるや、「なんで大ちゃんが決めるの?」とご機嫌斜めに。シロさんに対しては「自分がゲイってこと以外、ほとんどウソついたことないでしょ?」と、ゲイのヒエラルキーの文脈に沿ってマウンティングを仕掛けにいく。シロさんが往年のアイドル「三谷まみ」のファンと明らかになった瞬間は意味深にケンジへ視線を送るなど、細かい所作で彼は小悪魔っぷりをにじませたのだ。奔放な発言で地雷を踏むかと思いきや、テーブルの下ではサンダル半脱ぎ状態で内股の姿勢をキープするかわいらしさ。一筋縄ではいかないキャラクターを見事に表現していた。芸達者な3人のベテラン俳優としっかり肩を並べていた磯村、恐るべし。
ケンジはケンジでジルベールと心で会話をし、表情だけでモノローグのキャッチボールをリードした。相変わらず内野は抜群だ。ジルベールにはメロメロの小日向さんも、シロさん&ケンジに対しては「キリッ!」と音が聴こえてきそうなくらいダンディのモードへスイッチを切り替えてみせる。あのメリハリっぷりには笑った。
そして、三谷まみについて熱弁するシロさん。いつになくはしゃいでいる。いつもは敬語なのに、「マジで!?」と素っ頓狂な声を上げたときの彼の表情は貴重だった。「こないだの大河ドラマも良かったなぁ~」とかみ締めてるけども、このテーブルを囲むのは大河に出た俳優ばかりという事実。こんな細かなフックも秀逸である。
4人による悲喜こもごもの心理戦を終え、帰路に就いたシロさん&ケンジ。このとき、歩く2人の距離がものすごく近い。場所の違い(恐らく新宿2丁目を歩いている)もあるだろうが、2人して商店街を歩いた初回の空気感とはまるで別物だ。明らかに、シロさんの内で変化が起こっている。ケンジが言う通り、ちょっとだけ“こっち側”に来ているシロさんが見て取れた。
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