広瀬すず『なつぞら』イケメン大量投入で視聴率好調も「評価急落」のワケ
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広瀬すずが主演を務める、第100作目のNHK連続テレビ小説『なつぞら』。
GW中には視聴率20%の大台を割り込む時期もあったものの、軒並み好調をキープし続けている。
岡田将生、吉沢亮、山田裕貴、清原翔、犬飼貴丈、育ての父親役の藤木直人などに至るまで、イケメンを豊富に揃えた「イケメン朝ドラ」とも呼ばれ、女性視聴者たちを日々キュンキュンさせていることも好調の理由の一つだろう。
しかし、視聴率の好調さの一方で、評判のほうは意外にもあまり芳しくない。といっても、子役時代の2週間の展開は絶賛の声が多かったにもかかわらず、ヒロインが子役から広瀬すずに交代して以降、みるみる評価を下げているのだ。
Yahoo!テレビガイドでは、以下のような辛口コメントが続出している。
「なつって早くも嫌われヒロインになってしまったよね。これは鈴愛(『半分、青い。』の)より早いかもしれない」
「ドラマの進行上色々なことがはしょられるのは仕方ない事ですが、あまりにもなつに都合が良すぎてなんだかなあと思うことしばしば……」
「100作めで期待していたのですが、過去の出演者&イケメンを集めてのお祭り? 子ども編が良かったために残念です」
子役から交代して以降、ヒロインのキャラクターが変わってしまったという声が多いほか、「何をやりたいかわからない」という声も。
子役時代に物語のピークを迎えてしまうのは、ある意味、朝ドラではよくあるパターンだが、いったいなぜそのような展開になっているのか。
あるスポーツ紙記者は言う。
「子役時代の2週間と、あまりにクオリティが異なるので、もしかしたら脚本家がひそかに途中で交代しているのではないかとも思いました。でも、台本を見てみると、その後も変わらず非常に丁寧に描かれているんです。実際に放送されたものと台本を見比べると、尺の都合なのか、大胆にバッサリとカットされてしまっている部分がかなり多い。それが朝ドラでありがちな『ヒロイン至上主義』『ご都合主義』に見えてしまう原因だと思います」
しかも、同記者いわく、「大幅にカットされている部分には、ある種の傾向が見られる」そうだ。
「心理描写や、経緯を説明する部分などはかなり省略されているのに、イケメンとの胸キュンシーンはカットされず、しっかり厚めに描かれています。実際に視聴率も好調ですから、複数のイケメンとの胸キュンシーンをたくさん入れておけば良いという読みは、的外れではないのでしょう」
あるエンタメ系ライターは言う。
「『あさが来た』のディーン・フジオカさん演じる五代様がブレイクしたあたりから、朝ドラは明らかにタイプ違いのイケメンを複数揃え、胸キュンで女性視聴者を引き付ける戦略をとるようになっています。その集大成がイケメンパラダイス、イケメン祭りとも言われる『なつぞら』ですよね」
『なつぞら』放送開始直前には、『朝ドラ100作 ファン感謝祭』なる特番が放送された。しかし、第一部の『思い出の名シーンランキング』が朝8時15分からだったのに対し、夜(18時5分~)に放送された第2部は『ドラマを彩る“イイ男”スペシャル』。100作の歴史を振り返る中で、わざわざ名シーンと並列、もしくはそれ以上の扱いで「歴代朝ドラのイケメン」だけにテーマをしぼり第二部として扱ったあたりにも、NHKの「朝ドライケメン押し」の姿勢がうかがえる。
先述のライターは言う。
「視聴者はあくまで作品ありきで見ていて、魅力的な作品に登場する魅力的な役柄のイケメンにときめくだけ。ストーリーなどそっちのけで、『とりあえずイケメンをたくさん出していれば良い』なんて思っている人はほとんどいないはず。今のイケメンてんこ盛り朝ドラは、ある意味、これまで朝ドラを楽しんできた視聴者たちの視聴習慣を冒涜するものになりかねない危険性があると思います」
現時点では、ヒロイン・なつを演じる広瀬すずがどんどん視聴者に嫌われつつある。しかし、それも演者である広瀬すずのせいでは、おそらくない。むしろ広瀬すずは、安直な「イケメン祭り」によって心理描写をおろそかにされた被害者なのかもしれない。
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