通信傍受法施行も問題なし⁉ ヤクザ御用達の”機密性No.1”無料通信アプリって?
#暴力団
異例の10連休と「平成」から「令和」への改元……。何かと騒がしかった5月前半だったが、ここにきてヤクザ業界がなにやら騒がしい。
都道府県公安委員会の指定暴力団である複数の有力団体が、ある法案についての内部通達を出したことが、裏社会で話題になっているのだ。
「彼らが警戒しているのは、6月に予定されている通信傍受法の施行です。法律の施行に合わせて、警察庁は捜査上の規則も改正。これまで必要だっ通信事業者の立ち会いが免除されるなど、通信傍受をする上での障壁がかなり取り除かれるようになる。捜査の現場では『特殊詐欺を摘発する際の大きな武器になる』といわれています」(大手紙社会部記者)
これに伴い、ある指定暴力団内部では、組員同士の連絡手段として、無料通信アプリを使用するように通達が出たという。
「使用が奨励されたのは、『Signal(シグナル)』というアプリ。2013年にアメリカ・サンフランシスコのソフトウェア会社が開発したアプリで、米上院議員間の連絡手段としても採用されています。日本でおなじみのLINEや中国でユーザーが多い微信(WeChat)などと同じような仕様のアプリですが、最大の特徴は、その高い機密性にあります」(IT関連業者)
シグナルを一躍有名にしたのが、米国家安全保障局(NSA)による個人情報収集活動を暴露したエドワード・スノーデン氏の存在である。米中央情報局(CIA)職員だったスノーデン氏が「愛用している」と公言し、秘匿性の高さを評価したことで話題を集めたのがこのアプリなのだ。
インテリジェンスのプロがお墨付きを与えたアプリというわけだが、裏社会では以前から「犯罪ツール」として広く活用されているという。
「シグナルは通信内容を暗号化して保護するサービスがマウントされており、一度消去したメッセージの内容を復元するのは不可能に近い。そこに目を付けたのが、ヤクザや半グレなどの裏社会の人間。主に振り込め詐欺で詐欺電話を掛ける『掛け子』や詐取金の受け取り役である『受け子』の連絡手段として使ったり、違法薬物の取引などに悪用されているようです」(前出の記者)
急速に進展する犯罪のハイテク化に対応しようとする警察当局と、さらにその裏をかこうとする裏社会の住人たち。両者のいたちごっこは、まだまだ続きそうだ。
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