“世紀の大誤審”で垣間見えたJリーグの根深い問題「審判員はファミリーじゃない?」
#Jリーグ
先週末に行われたJ1リーグ第12節の浦和レッズ×湘南ベルマーレ戦で、世紀の大誤審が起きてしまった。
31分、湘南の杉岡大暉が放ったシュートが右ポストに当たり、左のサイドネットを揺らす。そこまで際どいゴール判定ではなく、浦和側もゴールを認めたそぶりを見せていたが、審判団はノーゴールとしてプレーを続行させてしまった。
当然、湘南側は猛抗議したが、判定は覆らず。なぜ、審判団はノーゴールとしてしまったのか? サッカーライターに訊いた。
「ゴールの判定を見極めるのは、テクノロジーが導入されていないJリーグでは副審の仕事になります。このシーンでいえば、オフサイドラインを見ていた副審がゴールラインを正しく判定できていなかったのが最初の問題です。さらに、サイドネットに入ったシュートが、ポストに当たったかのような勢いでピッチに戻ってきてしまった。これを見た審判団は『サイドネットに入ったボールならば、ああいった軌道にはならない』と予測し、ノーゴールとしてしまったのだと思います」
そんな大誤審に対し、試合後、他のJクラブの選手たちも一斉に不満を爆発させている。中でも、たびたび審判批判をしてきた鹿島アントラーズの三竿健斗(参照記事)は「笑いをこらえきれないくらいひどすぎる。。。」とツイートし、それに呼応するように審判団に対する罵詈雑言がネットにあふれている状況だ。
「こういった選手の姿勢こそ、大誤審以上に問題だと思います。たとえば、過去にJリーグでありえないミスをした選手もいます。その選手を、他のチームの選手が試合後に笑ったでしょうか? 選手と同様、審判も試合に人生を懸けています。今回も当然そうなりますが、誤審をした審判は試合から外されます。審判の報酬は試合ごとの出場給なので、試合のアポイントがなければ、収入はなくなる。今回の大誤審で明らかにになったのは、審判を同じサッカーファミリーだと思っていない選手が多く存在するという悲しい現実です」(同)
審判は、たとえ誤審だったとしても、見えなかった事象に対し、選手やスタジアムの反応では判定を変えられない。だが、その場にいる選手は誤審がわかっているからこそ、エキサイトする。それはサッカーの一部といえるだろう。しかし、当事者以外が、しかも嘲笑するような発言をするのはスポーツマン精神としていかがなものか。
大誤審よりも根深い問題が浮き彫りになってしまった。
(文=TV Journal編集部)
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