妻に嫌がられ、職質されても……ベテラン俳優・田中健と平泉成をつなぐ”ケーナ愛”
#テレビ日記
テレビウォッチャーの飲用てれびさんが、先週(5月5~11日)に見たテレビの気になる発言をピックアップします
田中健「職務質問はしょっちゅう」
9日放送の『ごごナマ』(NHK総合)に、俳優の田中健が出演していた。田中といえば、ケーナである。ケーナとは、南米発祥の縦笛の一種。その奏者としても知られる田中は、ケーナと自分の関係について、次のように語る。
「天職はケーナ。適職は役者って言ったほうがいいのかな」
田中がケーナに出会ったのは、まだ俳優として自信が持てないでいたころ。知り合いの詩人に誘われ、旅を始めた田中は、各地を巡った末、ペルーのマチュピチュを訪れた。すると、どこからか楽器の音色が。付近を探してみると、日本人が縦笛を吹いていた。それがケーナだった。翌日に購入し、帰国。34歳、運命の出会いであった。
そんな田中も、ケーナの練習には苦労しているそうだ。甲高いよく通る音だからか、自宅で練習していると、妻から苦情が出る。近所からもクレームがあり、家の前に張り紙をされたりもするらしい。だから今では、もっぱら車の中で練習するそうだが、それでも「職務質問はしょっちゅう」だという。
そんなエピソードが披露されたのちに、田中のケーナ演奏のコーナーが始まった。職務質問を経て磨かれたケーナの音色は、とても澄み切っていた。
実は、田中の使うケーナは、すべて俳優の平泉成の手作りである。番組では、ケーナを作る平泉を取材した、15年前の映像も流された。材料となる竹を採りに山に入る平泉。竹をのこぎりで切る平泉。そして、河原のようなところにビニールシートと工具を広げ、ケーナ作りを進める平泉。竹を見つめながら、平泉は語る。
「竹も人間と同じで、しっかりしたものがいいですね」
平泉は、自分が納得するケーナができるまで、お金をとらないと決めているらしい。これまで1,000本近く田中のケーナを作ってきたが、一銭も受け取っていないという。
なお、平泉は野外でケーナを作っていたが、田中によると、自宅で作業をすると「奥さんがノイローゼに……」とのことである。そのため平泉はキャンピングカーを購入し、車内で作業ができるように内部をカスタマイズしているらしい。ケーナに関係する者は、車へと追いやられる運命なのだろうか。
さて、番組の終盤、ケーナ以外に夢中になっているものがあるかと尋ねられた田中は、次のように答えた。
「お茶をちょっと。茶道を始めまして。茶杓(ちゃしゃく)ってあるじゃないですか。竹でできてるんですよ。あれがなんとも好きで。あれを最近ちょっと作る」
茶道と、抹茶をすくうサジである茶杓作りに、最近ハマりかけているらしい。竹から竹へ。田中の趣味の旅は続く。誰かベテラン俳優が、専属の茶杓職人に名乗りを上げたりしないだろうか? あるいは、田中が誰かの専属職人になるとか。しかし、もしそうなったとしたら、平泉の職人魂の行き場は? キャンピングカーの用途は――? 興味は尽きない。
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