『俺のスカート、どこ行った?』は正統派学園ドラマだった! 古田新太が女装する必然性はあるのか……
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東条のハブられる過程がリアルすぎる
クラス内の人間関係に動きが見え始めた第3話。ようやく、このドラマもエンジンがかかってきた感がある。
何より、明智と衝突した東条正義(道枝駿佑)のハブられ方にリアリティがあった。といっても、明智が先導して東条をのけ者にしているわけではなさそう。周囲が勝手に明智と東条と天秤にかけ、パワーバランスで明智に付いたという感じだ。
最も印象的だったのは、放課後の1シーンである。明智に声を掛けたクラスメイトが、勢いで東条の机の上にあった筆箱を落とした場面。すでに、視界に東条が入っていない事実を残酷なまでに表している。筆箱を拾う際の東条の表情には、憤りと切なさがにじみ出ていた。初回であれだけ威勢よく原田に突っかかっていたのに、落差がえぐすぎである。
さらにリアルだったのは、この場面を目にしながら若林優馬(長尾謙杜)が何もしなかったこと。平凡な学園ドラマなら、若林も一緒に筆箱を拾うだろう。そして、仲良くなったりする。でも、若林は逡巡した。東条は自分をいじめていた張本人。自分をいじめの標的にしていた。最近まで的にしていた自分に助けられても……というためらいが彼にはあったはずだ。加えて、明智への恐怖心もある。原田の檄でマスクは取ったものの、ヒーローに変身したわけじゃない。この辺の心理描写はリアルだった。
『マツコ会議』へのバトンタッチは自然
帰宅した明智は、なぜか1人で泣いていた。サッカーをやめ、夜はアルバイトに励む日々。家で家族は待っていない。成績優秀でスクールカースト最上位にいる明智は、クラスメイトに本当の自分を見せていないのだ。完璧を演じることで自分を守っているようにも見える。明智は闇を抱えている。
第3話の主役は光岡だった。学校でトラブルを起こしても、家庭では彼は愛に包まれていた。明智とのコントラストはあまりに鮮明だ。
……と、生徒にフォーカスしてこのドラマを見ると、ちゃんと見どころはつかめてくる。つまり、今作はあまりにも正統派な学園ドラマなのだ。『俺のスカート、どこ行った?』というタイトルだが、教師より生徒に注目したほうがストーリーを楽しむことができる。このドラマが、とりわけジャニーズファンに好評なのも当然だろう。
そうなると、古田新太が女装をする設定の必然性が疑問に思えてくる。風変わりな教師が過激なメッセージを放てば、実はなんでも良かった?
ただ、このドラマを見て、後に続く『マツコ会議』(日本テレビ系)をそのまま見続けるのは、自然なバトンタッチではあると思う。
(文=寺西ジャジューカ)
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