『きのう何食べた?』待望のサッポロ一番登場! 過去最大の飯テロと、そこから見える2人の関係性
#ドラマ #テレビ東京 #内野聖陽 #西島秀俊 #どらまっ子 #きのう何食べた?
切なさとともに意識した老い支度
年が明け、シロさんの実家に近所の子どもたちがやって来た。
「うちの親たちは、もう、孫の代わりにお隣の子どもたちをかわいがることに決めたんだ」(シロさん)
子どもたちは家のトイレの場所を知っているし、久栄は子どもたちがハムを好きだと知っている。両親を見るシロさんの視線が、いろいろなことを考えさせる。孫を連れてこない子と両親の関係は、ゲイに限った話ではない。多くの視聴者に響いたのではないか。
今回のシロさんの帰省には、理由があったはずだ。でも、それを果たせていない。
シロさん「あのさあ、結局、老い支度の話してないけど、いいの?」
久栄「あぁ~。……もう、わかったでしょ?」
孫の顔を見られない両親。それを後ろめたく思う息子。これだけで、先を意識する状況は出来上がってしまっていた。すべてを踏まえての「もう、わかったでしょ」だとしたら、泣ける。
おいしさを共有すると絆が深まる
実家から大量のお餅を持ち帰ったシロさん。これを食べ切るのがシロさんとケンジのミッションだ。早速、2人はレンジで焼いた。
ケンジ「わわわわわわっ! シロさん、膨らんできたよ? ね、シロさんもう出していい? もう、出していいの!?」
シロさん「うん、出していいよぉ」
どう考えても、何かを暗喩したやりとりじゃないか。気の抜けない脚本である。
ここから連日、食卓にはお餅料理が登場し続けた。初めはおいしくても、どうしたってじきに飽きる。でも、ケンジは律義に「おいしい」と感謝した。3日目の朝なんて明らかにうんざりしているのに、けなげにも引きつった笑顔をキープ。一方、それに気づかないシロさん。この人は餅をどう消費するかで楽しくなってしまっているのだ。しかし、「餅以外の炭水化物が食べたい~!」と、さすがのケンジもギブアップ。その後に出てきたのは、栗きんとんをのせたトーストだった。こんなの、うまいに決まってる。いつか、これもやってみたい。もちろん、ケンジもこのトーストには満足したようだ。
「おいしいよ。……また来年も食べたいなあ」(ケンジ)
「来年も、お正月は両親と過ごしなさいよ」という意味だろうか。おいしさを共有したら、2人の絆が自然と深まる描写が素敵である。
このドラマ、週ごとに怒涛の勢いで季節が移ろう。そして、それに呼応したかのように、週ごとに2人のつながりが深まっていくのも感じられるのだ。
(文=寺西ジャジューカ)
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