“カマキリ先生”香川照之に福山雅治が喰われた!? 『集団左遷!!』第3話は視聴率二ケタを守れたか
#ドラマ #TBS #福山雅治 #香川照之 #どらまっ子 #集団左遷!!
福山雅治が主演する初のサラリーマンもの『集団左遷!!』(TBS系)。元号が平成から令和に変わり、キャッチコピーも「平成最後の下克上だ」から「令和最初の下克上だ」に変わりました。さて、どれだけの人が気づいたでしょうか。第3話を振り返りたいと思います。
(前回までのレビューはこちらから)
第1話からそこはかとなく漂う“コレジャナイ感”。第3話では廃店が決まっている三友銀行蒲田支店の片岡支店長(福山雅治)たちの前に、廃店計画を進める本部の横山常務(三上博史)が現われます。両者の間で激しい視殺戦が繰り広げられるかと思いきや、横山常務は「業績アップ、おめでとうございます」と蒲田支店の奮闘ぶりを讃え、あっさりと引き揚げていきます。あまり意味のないシーンでした。第2話のラストで盛り上げておいて、すっごい肩すかしです。
片岡支店長は相変わらず「さらにがんばろ~!」としか言わないのですが、半期で100億円のノルマを達成しないと自分たちの居場所がなくなる蒲田支店の行員たちは尻に火が点いた状態となり、懸命に営業成績を上げていきます。
目の前の上司をスパイ呼ばわりする不自然さ
ところが横山常務の指図で、またしても本部の横やりが入ります。廃店候補となっている支店が扱っている大口の取引先は、本部へと移管されることになったのです。さらに、廃店した支店の残務処理に10人回すように蒲田支店に命令が下ります。これでは、いくらがんばってもノルマを達成することは不可能です。
せっかく団結しかかっていた蒲田支店ですが、亀裂が生じます。若手行員の滝川(神木隆之介)が「ここの情報がダダ漏れしている。おかしい。本部の肩を持つ真山さんがスパイじゃないか」とみんなの前で言い出します。滝川にとって、副支店長の真山(香川照之)は上司です。いくらドラマとはいえ、目の前にいる上司に向かってこれはないんじゃないでしょうか。若手演技派の神木くんから出てきた台詞だけに、余計に違和感がありました。
もしかするとTBSのディレクターは、ダメダメ人間たちの中で起きる魔女狩りの恐ろしさを描きたかったのでしょうか。それにしても中途半端です。大手銀行を舞台にした企業ドラマにもかかわらず、“コレジャナイ感”がますます濃厚に漂ってきます。
カマキリ先生の意外な一面
そんな第3話でも、見どころはありました。みんな残業してヤル気を見せているのに、副支店長の真山だけは定時でさっさと退社していきます。『下町ロケット』(TBS系)第2シーズンの変人・軽部(徳重聡)もそうでしたが、残業しないで帰る社員は「日曜劇場」の世界では白眼視されるのでした。でも、真山には定時に退社する理由がありました。愛妻・有里(西田尚美)が長年にわたって入院しており、元気づけるために病院へ足繁く通っていたのです。
花束を手に病室を訪ねてきた真山に対し、ベッドに伏している妻・有里は「あなたがいっぱい仕事できるよう、私も退院したら張り切ってご飯つくるわ」と囁くのでした。小さく微笑んで妻を見守る真山。企業ドラマブームを巻き起こした『半沢直樹』(TBS系)での顔面演技が大きな話題を呼んだ香川照之ですが、抑えた演技もなかなかです。昆虫に大人げなく大興奮してみせる“カマキリ先生”香川の意外な一面を知り、視聴者もホロリとさせられるのでした。
ちなみに“カマキリ先生”は5月3日に放送された『香川照之の昆虫すごいぜ! 6時間目』(NHK Eテレ)ではアリを取り上げ、働きアリたちの社会と人間社会を重ね合わせ「あなたにはあなたにしかできないことがある。それをアリの世界が証明している」と熱い言葉を残しています。味方に付ければ心強いけれど、敵に回すと恐ろしい男、それが香川照之です。
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