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『インハンド』山下智久、ドSキャラのハズが菜々緒の尻に敷かれる? 観月ありさが“不老不死の秘密”に説得力をもたらす

『インハンド』山下智久、1番かっこいいパターンのギャップでキャラ確立に一歩前進 濱田岳の卓越したコミカル演技が冴えるの画像1
TBS系ドラマ『インハンド』番組公式サイトより

 山下智久が寄生虫専門のドSな医学者を演じるドラマ『インハンド』(TBS系)の第3話が先月26日に放送。今回は観月ありさがゲスト出演し、“不老不死”がテーマに描かれました。

 寄生虫学者の紐倉哲(山下)はある日、助手の高家春馬(濱田岳)を引き連れ、大学時代の恩師で、現在はパナシアンビューティーという美容会社のCEOを務める瀬見まき子(観月)の講演を聞きに行くことに。まき子には早老症を患う妹のみき子(松本若菜)がいたことをふと思い出し、すでに死んでいるに違いないと、紐倉は少しセンチメンタルな気分になったりします。

 その一方、この会社では、“不老不死の生物”といわれるベニクラゲからテロメテーゼという酵素を抽出し、アンチエイジング治療に活用しているものの、その会員らが次々とアルツハイマー症にかかっていることに疑問を抱くのでした。

 この件に関しては、サイエンス・メディカル対策室の牧野巴(菜々緒)も調査に乗り出していて、紐倉は協力を求められるものの拒否。しかし、老いていくみき子の姿を思い出したことで、現在のまき子の研究が気になり、結局は協力することになります。

 そこで、パナシアンビューティーが論文を募集していることに目をつけ、高家とともに一夜漬けで論文を作成。それが評価されたことで会社から呼び出され、まき子との面会の約束をとりつけます。

 そして、“博士”を装った高家とまき子が面会する間、紐倉はまき子の部屋へ潜入し、データを盗み出すことに成功。その結果、“若返り”の秘密は、違法に入手した若者の血を輸血することにあるのだと判明します。

 一方、高家は正体がバレてしまい、拉致されてしまいます。紐倉は牧野から助けに向かうよう依頼されて一度は断るものの、助手として愛着が湧き始めているため、まき子の家へ単身で突入。みき子の死によって老いていくことが怖くなったというまき子に対し、人類は死があるからこそ進化し続けてきたことや、不老不死になったら成長が止まり、逆に滅亡するのだと説き伏せ、一件落着となります。

 さて感想。今回は、人類が永遠に追い求めるであろう“不老不死”がテーマでした。若者の血を輸血することで血漿の若返りを図る、という医学的に正しいのかどうかはわかりませんが、ここはキャスティングの妙。観月ありさがまき子役を演じたことによって、絶妙な説得力とリアリティーが生まれました。これは山下にもいえますが、実際に法に触れるようなアンチエイジングでもしてるんじゃないかと疑うほど、2人とも若々しさを保っていますからね。

 その山下は、変人・紐倉役がすっかり板についてきました。相変わらずボソボソとした喋り方ですが、キャラが馴染んだのか、あるいはこちらが見慣れたのか、違和感が無くなりました。クールを装いつつも実は情に厚い。毎回のように牧野からの依頼を断りつつも、結局、最後には従うあたり、尻に敷かれているようにも思えます。山下が菜々緒のお株を奪うドSキャラという設定ですが、実際には牧野が紐倉と高家にリードをつなぎ、徐々に上手く操り始めているような気がしないでもありません。

 その牧野からぞんざいな扱いを受ける高家に関しては、前回同様に文句なし。天才的な探偵が主人公の作品ではステレオタイプに陥りがちな、いわゆるワトソン的な役回りを、濱田がコミカルに演じることで個性を発揮。回を追うごとに紐倉とのコンビネーションが冴え渡ってきている印象ですね。

 その紐倉の過去が毎回、少しずつ紐解かれているのですが、今回は大学時代の回想シーンが流れたことで、当時はまだ右手が義手ではなかったことが明らかになりました。さらに、以前はアメリカ疫病予防管理センター(CDC)で働いていたものの、アメリカ陸軍と揉めたことによって解雇されたことも判明。時折、戦場らしきシーンがフラッシュバックされ、その度に右手が痛む様子も気になるところではあります。

 恐らくそこには悲しい秘密が隠されているのでしょう。郊外の巨大な動植物園でひとり寂しく研究を続けてきた謎が明らかになることで、紐倉のキャラクターはさらに深掘りされて魅力が増すハズ。視聴率的には、常時15%前後を推移した『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』シリーズ(フジテレビ系)にはまだまだ及びませんが、山下の新たな代表作になる可能性を秘めているのではないでしょうか。次回は“人を自殺させる病原体”がテーマとのことで、放送を楽しみに待ちたいと思います。
(文=大羽鴨乃)

最終更新:2019/05/03 20:00
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