「日曜劇場」が軽いコメディになった理由とは? 福山雅治がバカボンのパパに『集団左遷!!』第2話
#ドラマ #TBS #福山雅治 #どらまっ子 #集団左遷!!
■片岡支店長が闘う本当の相手とは?
原作小説の『集団左遷』『銀行支店長』(講談社)が重々しい内容なのに比べ、福山の「日曜劇場」初主演作となった『集団左遷!!』はコメディタッチの展開です。第2話では『天才バカボン』の主題歌を歌ってみせた福山ですが、この調子なら植木等が軽快に歌った昭和のヒット曲「スーダラ節」あたりもダンスを交えて披露してくれるのではないでしょうか。
それにしても、『集団左遷!!』に漂うこの超ライト感覚、言い換えればチャランポランさはどこから来ているのでしょうか。その答えはとても簡単です。
今年9月からは日本で「ラグビーワールドカップ2019」が始まります。国際的なスポーツイベントを盛り上げるため、TBSでは7月期の「日曜劇場」は“切り札”池井戸潤が書き下ろすラグビードラマを放送することが決まっています。演出を務めるのは、もちろん『半沢直樹』『下町ロケット』など一連のTBS「日曜劇場」の池井戸ドラマを大ヒットさせてきた福澤克雄ディレクターです。
福澤ディレクターは、慶應大学時代にラグビー部の主力選手としてチームを日本一に導いています。同じく慶應大学出身の池井戸潤は、国立競技場でその試合を応援していたという縁があります。なので、7月期のラグビードラマはかつてないほど熱いものになることが予測されます。つまり、逆算的に福山主演の『集団左遷!!』はライトなコメディタッチの作品になったと思われます。福山の魅力を最大限に引き出すというよりも、TBSの看板枠である「日曜劇場」の編成にメリハリをつけるための演出方針ではないでしょうか。与えられた条件の中で、結果を出すことが求められている―。という点では、片岡支店長と福山雅治の置かれている立場はすごく似通っていると思います。
初回視聴率13.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)という高視聴率でスタートした『集団左遷!!』。泥舟のように沈んでいくのでしょうか。それともライト感覚のサラリーマンものとして、すいすいと進んでいけるでしょうか。
第2話では片岡が真山たちと深刻な話をしている最中に、奥さまのかおりが「今日はすき焼きよ♪」と場違いな電話を掛けてくるシーンがありましたが、うまくギャグにすることができずにいました。お笑いの演出が今後うまくハマれば、泥舟化をまぬがれる可能性もあるかもしれません。気になる第2話の視聴率は、次回まとめてお伝えしたいと思います。
(文=長野辰次)
サイゾー人気記事ランキングすべて見る
イチオシ記事