中国で洞窟遭難事故が発生! 60時間で捜索打ち切り、少年見殺しに……
#中国
昨年6月、タイの洞窟で少年12人とサッカーコーチ1人の13人が遭難した事故では、世界各国からレスキュー隊が救援に集結。結果、隊員一人が死亡したものの、13人の少年たちは無事救助された。この感動の実話はすでに映画化も決定しているが、彼ら少年がもし中国の洞窟で遭難していれば、その運命は変わっていたかもしれない。
3月、中国でも少年が洞窟内で遭難する事故が発生したのだが、ハッピーエンドとはならなかったのだ。
「南方都市報」(3月21日付)によると事故は3月16日、湖北省恩施市内にある山間の洞窟で発生した。地元に住む中学生の少年7人が洞窟内部に入り、入口から奥に400mほど進んだところにある地底湖で遊んでいたところ、1名の少年が潜ったまま浮かんでこなくなったというのだ。
そこで6人の少年たちはすぐに洞窟を飛び出して保護者たちに助けを求め、保護者が消防に救助を要請。事故が起こった洞窟にレスキュー隊が派遣されたのだ。少年が行方不明となった地底湖は20㎡ほどの広さで、水は泥などで濁っており、水中の様子を確認することは出来なかったという。現場にはレスキュー隊や消防など100名以上の人員が集められ、4名のレスキュー隊が池の内部に潜り少年の捜索を行うも発見に至らなかった。その後、地底湖の水を洞窟の外に排水する作業が行われた。しかし、3台の抽水ポンプで池の水を外に排水するも水の量が多いためか数時間経っても、地底湖の水位はわずか数ミリしか減少しなかったのだ。
さらに不運なことに、内陸部にある湖北省には、水難事故の専門部隊がなかった。そこで当局は、約1000キロ離れた広東省の部隊に応援を要請し、2名の専門隊員が派遣された。
彼らの水中捜索により、地底湖の水面下に大きな空間が広がっていることが判明した。行方不明になった少年は、その空間で生存しているという希望も出てきた。
しかし事件発生から60時間後、捜索は突然打ち切られる。地元当局は「レスキュー隊員の身に二次災害が起こってしまう可能性があることも考慮した少年の両親が、捜索の打ち切りを願い出た」としているが、ネット上では不信感が広がっている。中国版ツイッター「微博」では、「自分の子が生きているかもしれないのに見殺しにする親がいるだろうか」「水難事故の専門隊員が2名しかいないのは少なすぎる」「タイの遭難事故の時のように、海外に救援要請するべきだった」など、地元当局の対応を非難する声が上がっている。
捜索が打ち切られて以降、地元メディアによる事故に関する続報もない。少年は、中国社会の深い闇に永遠に葬り去られる形となった。
(文=牧野源)
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