3M、ジュニアアイドルブーム、おバカキャラ……極私的平成アイドル史【女優・タレント編】
#プレヤード #アイドル深夜徘徊
平成時代をドルヲタとして過ごしてきた私が、ファン目線で平成アイドル界を振り返る企画。今回は「女優・タレント編」である。
アイドル女優の台頭
平成が始まった頃、現在もアイドル評論家として活動している北川昌弘氏が中心となって、『NIPPONアイドル探偵団』(JICC出版局)という本が、毎年作られていた。
そこでは、活躍中のアイドル、女優、アーティスト、女子アナ、アスリートなど、広い意味での「女性アイドル」と考えられる人たちを、ある程度の実績や将来性、そして独断と偏見を加えてランク付けし、それについて、読む者がああだこうだと語り合えるような作りになっていた。
例を挙げてみると、平成元年(1989年)の1位は宮沢りえ、翌年は発行がなかったが、平成3年(91)は鈴木保奈美、その後、和久井映見(92年)、牧瀬里穂(93年)、内田有紀(94年)、常盤貴子(95年)と続いていく。
一目瞭然なのは、いずれも女優をメインとして活動している人が1位をとっているということだ。平成のアイドル界は、若手女優を中心に回っていたというのもある意味真実なのだ。
特に、平成初期に活躍した、宮沢りえ、観月ありさ、牧瀬里穂は、3人のイニシャルから「3M」と呼ばれ、映画やドラマに引っ張りだこだった。もちろん、それぞれ歌手デビューもしたが、あくまでも「女優」がメインである点は、いわゆるライブアイドルとは異なる点だ。
この、「女優メイン」の活動というのは、その後の内田有紀、菅野美穂、仲間由紀恵などへと繋がっていき、後に広末涼子の大ブレイクを迎えるのである。ハードな踊りや歌をメインにするよりも、年齢に合わせた役を演じることができるため、息の長い活動ができる点が大きなメリットである。
私はこの、“女優系のアイドル”というのも大好きで、特に、演じた役と本人のキャラクターがぴったりと合い、一層の魅力を持って輝き出す瞬間がたまらなかった。広末涼子でいえば、『ビーチボーイズ』(フジテレビ系)での和泉真琴役、菅野美穂なら『イグアナの娘』(テレビ朝日系)の青島リカ役などが、まさにその奇跡を感じさせた。
この系譜はその後も、堀北真希や多部未華子などが継承し、現在の土屋太鳳や広瀬すずへと受け継がれている。直接会う機会は少ないが、写真集やカレンダーイベントなどで目の当たりにすると、テレビだけでは伝わらないオーラのようなものを感じて、感激することしきりなのである。
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